富士通は5月21日、連結子会社(持株比率52.55%)の富士通ビジネスシステム(FJB)を株式交換で完全子会社化すると発表した。

 記者会見で完全化する理由をきかれた富士通の広西光一副社長は、「このままだとFJBが『ミニ富士通』になってしまう」と、案件獲得現場で富士通とFJBが競合する非効率を防ぐ狙いがあると説明。今回の完全子会社化では、FJBが富士通に吸収されるというのではなく「新生FJB」が富士通グループの中で「中堅市場(年商300億円以下)向けテクノロジーソリューション」を担う中核会社として生まれ変わるのだという。このため、東名阪地区のSE子会社などから順次、中堅市場向け要員が集約される見通しだ。

 5月21日に開催した両社の取締役会で決議。これを経て株式交換契約を締結し、緊急記者会見を開いた。完全子会社化は、FJBが6月23日に開く株主総会で正式決定、7月28日に上場廃止し、10月1日付で「新生FJB」がスタートする予定。

 現在、富士通全体で中堅市場の売上高は約3500億円。広西副社長は「(FJBの完全子会社化効果などで)中堅市場向けを年率5%成長させ、2013年度には5000億円にする」と見通しを語った。FJBの08年度(09年3月期)売上高は1520億円と、官庁向けの大型案件があり、前年度比2%以上成長した。

 このうち、ソリューション販売は650億円弱。FJBの鈴木國明社長は「急成長するこの分野を伸ばす」と話す。富士通は「中堅市場」の営業機能や商品化機能、パートナー協業をFJBに一本化する。製品面では、中堅中小企業向けERP(統合基幹業務システム)「GLOVIA smart」ブランドも移管する。広西副社長は「中堅企業の現場を良く知るFJBに任せた方が、富士通本体がやるより『売る』ための材料をパートナーに供給できる」と語った。