富士通は価格が13~14万円程度の従来よりも低価格なモバイルノートPCを来春以降に発売する。新型ノートPCはA4サイズとネットブックの間に位置づける製品で、A4よりも価格が安く、ネットブックよりも高性能な機種になる見込み。景気低迷でPC市場の冷え込みが強まるなか、富士通では割安感のある本格的なモバイルノートPCを投入することで新たな需要喚起につなげたい考えだ。

富士通が個人向けに09年夏モデルで発売したモバイルノートPC(写真上、左から)「FMV-BIBLO MG」「FMV-BIBLO LOOX R」とネットブック「FMV-BIBLO LOOX M」

 新型ノートPCは、法人・個人向けに販売し、2010年4月以降の発売を計画している。液晶ディスプレイパネルの変更や低価格CPUなどを採用してコストを削減することで、従来のモバイルノートPCよりも低価格を実現。同時に利益も確保できるようにする。

 具体的には、供給量が多く価格の安い16:9のパネルを台湾や国内メーカーから調達する。CPUはインテルの低価格コンシューマ向け超低電圧版CPU(CULV)を採用して、価格を抑える。そのほかの機能の詳細や仕様については今後詰める。

 付加価値モデルとしてWiMAXを搭載した機種も投入する。これまではバッテリの駆動時間などで他社と競ってきたが、新型モバイルノートPCでは通信機能を切り口に差異化する。

 富士通では新しいモバイルノートPCで通信機能のない標準モデルを軸に従来のモバイルノートPCよりも価格面、ネットブックよりも性能面での優位性をユーザーに訴求して市場を開拓し販売台数を確保する。同時にWiMAX搭載の付加価値モデルで単価アップを図り、収益を拡大する狙い。WiMAXモデルが機種全体に占める割合は10~20%程度になると想定している。

 A4ノートPCは投入するメーカーが多く飽和状態にあり、ネットブックも需要が一巡して一服感が出始めていると富士通では分析。また、景気低迷で法人の設備投資が後退し、個人の消費マインドも冷え込んでいることから、市場の活性化には新たな機種の投入が必要だと判断した。

 富士通が現行で販売するノートPCの価格はモバイルノートと呼ぶカテゴリが15~16万円、ネットブックで4~5万円程度。モバイルノートは市場の価格引き下げ圧力が強く、販売が厳しい状況にある。一方、低価格のネットブックは人気が高いものの、大きな利幅が見込めない。

 こうした背景から富士通ではユーザーの価格指向や市場の価格下落にもある程度対応が可能で、同社が考えるモバイルノートPCの性能と利益のバランスが確保できるラインと判断した後に新型モバイルノートPCの価格を設定した模様だ。(米山淳)