東京・多摩地区を中心にユーザー企業を抱えている八王子情報センター(谷澤敏治社長)は、自社内にキャリアパス制度を導入するなど、人材育成に力を入れており、地元では“少数精鋭”のSIerとして知名度が高まりつつある。今後は、SI強化に加えてコンサルティング力をアップさせることで事業拡大を図っていく。

谷澤敏治社長
 同社は、八王子市と八王子商工会議所の出資によって1960年に設立されたSIerだ。地元企業や自治体、関連団体などが共同でコンピュータを活用することによる地域活性化を目的としてビジネスを手がけている。現在は、八王子市の出資がなくなり、代わりにSIerのサンネットが出資している。八王子情報センター社長を務める谷澤氏は、成長路線を敷くためにサンネットから送り込まれた人物。同社が一時期、経営不振になったことが、社長に抜擢された理由の一つだ。谷澤社長は、「今では赤字経営を脱却し、ここ4年ほど黒字が続いている」と自信をみせている。

 事業を拡大するうえで力を注いでいるのが人材育成だ。ユーザーに地元の企業が多いことから、「地域活性化に向け、ユーザー企業の視点に立ったIT関連の製品やサービスを提供していかなければならない。そのために、さまざまなニーズに対応できる人材を社内に揃えていく」としている。具体的には、キャリアパス制度の導入をはじめとして、技術や業務知識、ヒューマンスキルアップ、ビジネススキルアップなどを果たすための研修を実施している。ほかにも、技術者や営業担当者などの分類を取り払った全社営業活動、入社2年目からプロジェクトリーダーに抜擢するといった取り組みも進めている。さらに、株主であるサンネットとの技術や人材の交流でスキルアップの向上も図っている。これにより、業務アプリケーション構築を中心にユーザー企業へのシステム提供や、市役所へのアウトソーシングなどといった案件を獲得している。最近では、学校関連で「パソコンなどハードウェアの販売も受注した」という。

 SIやアウトソーシング事業が定着しつつあることで、「今後はコンサルティング事業の拡大を図っていきたい」との考えを示している。具体的には、これまで収集してきたニーズを精査することで、ユーザー企業に対して経営戦略や業務改善の一つとしてITシステムを提供、そのためにコンサルティングサービスを提供するというビジネススタイルを構築していく方針だ。ただ、「コンサルティング会社が提供しているようなものではなく、あくまでもユーザー企業の現場を見据えたコンサルをサービス化する」としている。(佐相彰彦)