米インテルは、社会貢献活動の一環として、10年ほど前からITを活用した教育機関向け支援を行っている。教師向けの教育講座や、科学技術の研究成果発表会などを世界的に展開する。このたび、米本社で施策を主導する二人の幹部が来日。各国教育機関のIT事情に詳しい両氏の話から、教育機関の世界的IT事情をみる。

教育機関向けIT支援活動の実状は

 ITを活用した教育が先進的な国として、ペイジ・ジョンソン・グローバルマネージャーは、オーストラリアや英国を挙げた。オーストラリアでは、「デジタル教育革命」と題して教職員へのPC貸与に必要な費用を政府が用意し、子どもが家庭で使うPCを購入する場合も優遇措置があるという。

 英国では、教職員や学生がWebサイト上で情報交換・共有するためのインフラを政府が主導して構築・運用している。アジア地域では、中国、インド、ベトナムが積極的で、山間部など主要都市以外でも「インターネットを活用して先進教育を受けられるようなインフラ整備が進んでいる」(ジョンソン・グローバルマネージャー)。

 いずれの国も「政府が教育を国家の重要戦略の一つとして捉え、予算を取って進めている」(同)のが共通点。チャドハ・ディレクターは、「教育にITを活用しなければならないという考えは当たり前で、その議論は終わっている。今はそれ(IT利用)を前提にして、グローバルに通用する人材を育成するために、どんな教育が必要なのかを各国真剣に考え始めている」と説明している。

 そんな状況下、インテルでは教育機関に向けて、単にIT利用を促進するだけというような施策ではなく、教育とからめた提案に力を入れている。ネット環境が整備され、グローバル化が進み、今の学生には従来とは異なる教育カリキュラムが必要となる。『21世紀型スキル』と題して、「学習内容まで踏み込んで、政府関係者や教育機関と連携を取っている」(ジョンソン・グローバルマネージャー)。

 日本の事情については、「どのような技術が必要かを模索している段階」(チャドハ・ディレクター)と説明。日本と教育先進国の間で取り組む姿勢にギャップがあることを印象づける説明だった。(木村剛士)

(左から)ペイジ・ジョンソン・グローバルマネージャー、アシュトシュ・チャドハ・ディレクター