トレンドマイクロ(エバ・チェンCEO)は、ネットワークに接続できない産業機器やオフライン端末をウイルス感染から守る、USB型のウイルス検知・駆除製品「Trend Micro Portable Security」の受注を3月31日から開始した。同社では間接販売により、産業用機器製造現場などをユーザー対象として拡販。1年間で2億円の売上目標を立てている。

Trend Micro Portable Security

 ウイルスの感染経路はネットワークを介するものが大半で、ネットワークに接続していない専用端末やスタンドアロンのPCは安全とみられていた。ところが、USBメモリの登場で状況が変わってきている。専用端末にデータの受け渡しを行うとき、USBメモリなどを利用する機会が増えており、新たな感染経路となっている。

斧江章一部長
 このところ「WORM_DOWNAD(ダウンアド)」とか「MAL_OTORUN(マルオートラン)」といったUSBメモリを介して感染を広げるマルウェアが大流行していて、トレンドマイクロの調査では、昨年最も被害件数が多かったのが、こうしたUSBなどのリムーバブルメディアを介したマルウェアだった。同社のグローバルマーケティング統括本部 事業開発部の斧江章一部長は、「携行できるストレージデバイスにより、人を介して感染してしまう例が増えている」と実態を説明する。

 専用端末に対する被害が国内外で増加の一途をたどっており、SSDやミニデスクトップPC、車載用GPS端末など、製造した専用端末がウイルス感染していることに気づかないまま出荷された例なども報告されている。

 こうした専用端末に対して、ユーザーがアンチウイルスソフトをインストールした場合には、メーカーの保守対象外になってしまう。一方、メーカー側は、出荷前にウイルスチェックを行うためにアンチウイルスソフトをインストールし、検査終了後にアンインストールするという手間のかかる作業を強いられる。

 トレンドマイクロでは、こうした問題を解消するため、USB型のウイルス検知・駆除製品「Trend Micro Portable Security」を発表、3月31日から受注を開始した。同社は、既存の販路を通じて「製造業の現場や、専用端末の保守・メンテナンス事業者、オフラインPCを抱えている一般企業に対して、アプローチしていく」(斧江部長)としている。

 「Trend Micro Portable Security」は、管理用PCにインストールして最新のパターンファイルにアップデートするプログラムと、スキャンエンジンを搭載したUSBの二つで構成される。

 管理用PCにUSBを接続し、パターンファイルをアップデートした後、オフラインPC、専用端末に差し込むだけで、インストールせずに、最新の状態でウイルススキャンを実行することができる。また、コンプライアンスの観点からスキャン履歴や検知したウイルスなどをログ収集し、管理することも可能。発売当初は国内のみでの販売だが、いずれは海外に展開することも計画している。(鍋島蓉子)