動画投稿サービス「ニコニコ動画」などを運営するドワンゴ(小林宏社長)は、赤字が続いていたニコニコ動画事業で、初の四半期黒字化を達成した。今年度第2四半期(2010年1~3月期)で黒字化し、夏野剛取締役は、「今後も黒字基調が続く」と、手応えを口にした。

 ニコニコ動画事業の2010年1~3月期(第2四半期)売上高は14億2800万円で、同事業にかかった費用は13億9900万円。利益幅は2900万円とわずかだが、四半期で黒字化したのは今四半期が初めて。夏野取締役は、投稿系の主要動画サービスで黒字基調に転換したのは、ニコニコ動画が世界で初めてではないか、と推測している。その原動力になったのが、月額525円のプレミアム会員の増加だ。

 2009年3月に30万人強だったプレミアム会員は、直近の4月では77万人余りに増加。ニコニコ動画事業の収益の約75%を、プレミアム会員が支える構図だ。夏野取締役は、プレミアム会員が柱となり、広告収入がこれを支えるというハイブリットなビジネスモデルを確立したことが黒字化につながった、と分析する。無料会員も含めた会員数全体では直近で1670万人に達しており、20代の2人に1人がニコニコ動画ユーザーとという計算になる。

 不安要因は、不安定な広告収入だ。従来の動画投稿に加えて、生放送などの新サービスを続々と投入することでプレミアム会員を増加させたが、一般企業からの広告出稿は変動が大きいという。

 2009年12月単月では、クリスマス・年末年始商戦などで、広告出稿は他の月よりも増える。これによって、ニコニコ動画事業は限定的に単月黒字化を果たしたものの、年が変わると広告収入の伸びが鈍化。結果的にプレミアム会員の増加に後押しされる形で、四半期黒字化を果たした。今後は、広告収入をいかに安定的に拡大させるかが、利益幅の増加につながる。

 プレミアム会員の獲得目標は、「短期的には100万人、長期的には倍増させる」(夏野取締役)と、引き続きプレミアム会員の拡大にも取り組む構えだ。

ニコニコ動画事業の売上高と費用の推移