ドワンゴ(小林宏社長)グループは、赤字が続く「ニコニコ動画」事業で、広告売り上げの増強と一部コンテンツやサービスの有料化促進を柱とする収益改善策を打ち出した。

 国内最大の動画投稿サイト「ニコニコ動画」は、ユーザー急増でIT機材の増設や通信費がかさみ、毎月1億円余りの赤字を出す。これまでユーザーの増加を優先してきたため、基本的なサービスはほぼ無料で提供してきた。広告枠も限られており「7-8月はほぼ売り切れの状態」(小林社長)が続き、売り上げも伸び悩む。これを打開するため、年内をめどに広告枠を増やし、一部サービスの有料化も促進する。

 動画投稿のコンテンツはユーザーに依存する部分が多く、視聴者の動向が読みづらい傾向にある。このため、トップページやドワンゴグループによる公式コンテンツを大幅に拡充することで、ナショナルクライアントを含む大口広告主からの出稿を狙う。

 現状ではネット文化への依存度が高い若者にユーザー層が偏る傾向があるが、トップページなど公式コンテンツを中心に一般ユーザーにも魅力あるつくりにする。公式番組やゲームの一部を有料化し、ターゲット別に効果的な広告を打つことで出稿増を狙う。こうした取り組みにより、2009年6月をめどに単月黒字化を見込む。

 元NTTドコモ執行役員でiモード事業を立ち上げた夏野剛顧問(ドワンゴ取締役に就任予定)は、「インターネット広告市場で、数年内にトップ10入りを目指す」と意気込む。

 国内ポータルサイトではヤフーの強さが目立つが、「ニコニコ動画」は、ユーザー参加型の映像メディアのシンボル的な存在でもある。インターネット広告は成長を続けており、07年で国内約6000億円、数年内には8000億円-1兆円はほぼ射程内に入る。やり方次第で、「大きなビジネスの可能性がある」と手応えを感じている。

 ニコニコ動画は11月12日、ユーザー数が1000万人を突破。有料会員は21万5000人に達する。直近では毎月約50万人が新規に登録している。