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トライポッドワークス セキュリティ販売を3倍に 裾野広げるサービス提供も

2010/07/08 10:13

週刊BCN 2010年07月05日vol.1340掲載

 トライポッドワークス(佐々木賢一社長)の、オンラインストレージ製品「GIGAPOD(ギガポッド)」シリーズをはじめとしたセキュリティの販売が好調だ。今年度(11年5月期)だけで、これまでの累積販売台数の倍にあたる2000台を販売する方針を打ち出した。これまでSMB(中堅・中小企業)が中心だったユーザー層を広げ、中・大企業を視野に入れた製品・サービスの提供を進めており、データセンター(DC)事業者とのアライアンスでSaaSなどサービス型モデルの提供を開始した。今後は、販社などとのパートナーシップの深耕で、製品流通に向けた新しいビジネスモデルの構築を目指す。

 トライポッドワークスは、新製品の「GIGAPOD 2010」をはじめ、セキュリティ関連製品の累積販売台数が、昨年度末の時点で1000台以上に達している。前年度に比べると4倍以上に伸びており、「SMBを中心に多くの需要を掘り起こすことができている」と、佐々木社長は自信をみせる。

 顧客開拓の決め手は、さまざまな販社を多く獲得していることにある。内田洋行やフォーバルなど、全国網で営業体制を敷いているSIerや、各地域の有力SIerなどとパートナーシップを組んでいる。また、アプライアンスの販売という簡単導入を切り口に、製品展開を後押ししている。

 売上高も前年度比2倍の水準を達成。台数・金額ともに順調な同社が、次のステップとして掲げているのが、ユーザーのすそ野を広げること。これまではSMBがユーザーの中心だったが、これを「中規模や大規模の企業もターゲットにする」としている。このために取り組んでいるのが、自社製品のSaaS化などサービス型モデルでの提供だ。これによって、まずは中・大企業の部門や組織などに導入を促す。第一弾として、DCを保有するソフトバンク・テクノロジー(SBT)と大容量ファイル共有サービスを共同開発し、このほど提供を開始した。SBTは、社員500人以上の中企業を対象にホスティングサービスなどを提供している。その点では、SBTの既存顧客を対象にサービスが提案できそうだ。

 また、SIerの販社に対しては、自社製品の機能のOEM(相手ブランドによる製品供給)案件を進めており、「販売パートナーが当社製品の単品売りではなく、ソリューションでの提供がしやすい環境を整えていく」方針を示している。

 これらの策で、今年度はセキュリティ製品の販売台数として2000台、累積販売台数で3000台への到達を見込む。売上高は、SaaS展開も含め、前年度の約1.5倍を目指す。さまざまな提供形態を揃えようとしているのは、今年度を「次のステージ」と捉え、セキュリティ関連ベンダーとして国内市場での地位を築こうとしているため。SMBでのシェアを拡大することに加え、「中規模や大規模の企業もユーザーの対象に据える素地が固まった」ことから、事業領域の拡大に踏み切ったことになる。(佐相彰彦)
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