ソフトウェアパブリッシャーのラネクシー(二瓶孝二社長)は、C言語プログラミング・インタープリタ製品「Ch Professional」について、すでに普及している教育機関だけでなく、一般企業への利用拡大を狙っている。同製品を開発した米SoftIntegration社(ダウン・チャン社長)によれば、世界的には、LG電子など著名企業が同製品を採用しているという。このほど来日した同社のハリー・H・チャン博士に企業で使うことによるメリットなどを聞いた。

SoftIntegration社のハリー・H・チャン
博士・チーフ兼チーフアーキテクト
 「Ch Professional」の最新バージョン「同6.0」は、2008年2月に販売を開始した。この製品は、インタープリタ(ソースコードを逐次解釈しつつ実行する処理系の実装手法)方式を採用しているため、コンパイル(ソフトの設計図であるソースコードをコンピュータ上で実行可能な形式に変換)やリンクなど煩雑な処理が不要なので、即座に実行成果を得ることができる。

 製品の開発者であるチャン博士によれば、「C言語はコンパイルしないと動かないが、この製品は、言語を書いては消し、試しながらつくれる」という。また、2次元(2D)/3次元(3D)の描画をはじめ、8000以上のライブラリ関数を備えているほか、C++のクラス機能やWindows、OpenGL、XMLなどをサポートしているため、これら幅広い知識を習得することができる。

 現在、「Ch Professional」は、日本だと工学系大学や高等専門学校などの生徒がプログラミングを学ぶツールとして波及している。一方で、アプリケーションのプロトタイプ開発やソフトやハードウェアの事前テスト工程などで利用が見込まれるという。

 チャン博士によれば、「Ch Professional」はすでにLG電子などの製品開発部門で採用されているそうだ。LG電子は、自社デジタル家電製品などのハードとソフトの事前テスト段階で、同製品を利用している。「開発過程が見やすく、試しながら作業を進めることができる」と、利点を説明する。

 このほかの用途については、「CADのモデリングや企業内アプリケーションの開発、ソフトインテグレーションなどに向く」(同)という。現在の携帯電話やデジタル家電、電子機器のプログラミングにもC言語が使われているので、これらの開発を行う技術者も汎用的に同製品を簡単に使うことができると断言する。とくに「インタープリタ言語は、ロボットの制御ソフト開発に適している」(同)と、「Ch Professional」を使うことで、需要が拡大しているロボット開発に“革新”を呼ぶとの見通しを示している。

 ラネクシーは今後、信州大学や東京理科大学とコラボレーションし、同製品の知名度を高める活動を展開する。(谷畑良胤)