京セラコミュニケーションシステム(KCCS、小林元夫社長)は、ITアウトソーシングやITライフサイクル管理(LCM)サービス事業の大幅拡充を図る。年内をめどに首都圏の三つのデータセンター(DC)を統合的に管理・監視する仕組みを稼働させるとともに、仮想デスクトップやITインフラのアセスメントなど、新たに四つのサービスをメニューに加える。顧客のITシステムの運用管理をワンストップで請け負う体制を強化。受注拡大につなげる考えだ。

ITアウトソーシングやLCMなどのサービス事業を担当する松木憲一常務取締役
 KCCSは、ITアウトソーシングとLCMを連携させたサービス拡充を推進する。年内をめどに「KCCS LCMセンター」を開設し、ソフトウェアライセンスやリースの契約状況、システムの構成などを統合的に管理するサービスを始める。同時に、首都圏に三つ保有するDCの統合監視にも乗り出す。

 これにより、ユーザー企業はKCCSのDCに情報システムをアウトソーシングするだけでなく、自社IT資産のLCMも委託しやすくなる。KCCSは、DCの運用管理やユーザー企業のLMCを、集中的に管理することでオーバーヘッドロスを削減。「価格優位性や収益力向上に努める」(松木憲一常務取締役)考えだ。

 国内情報サービス市場は、回復基調にあるとはいえ、依然として厳しい状態が続く。KCCSは、収益の安定化に有効と考えて、これまでITアウトソーシングに力を入れてきた。昨年度(2010年3月期)は、アウトソーシングビジネスが下支えするかたちで堅調に推移。京セラグループ以外の顧客に向けたITプラットフォームビジネスの年商でおよそ100億円、前年度比で10%程度伸びた。DCの容量が不足し、09年末には、首都圏でDCを追加増設。既存DCと合わせた累計で600ラック近くになった。「首都圏では根強いアウトソーシング需要がある」と、手応えを感じている。

 今回の統合監視センターの開設によって、将来的に第4、第5のDCを増設することになるとしても、同センターによる横断的で高効率な管理が可能になる。KCCSが本社を置く京都にも約200ラックのDCがある。今は統合監視の対象ではないが、今後は「全国どこにDCがあってもセンターによる一元的な管理体制をつくる」方針。京都DCは主にバックアップやディザスタリカバリなどに活用することを検討している。

 さらに、仮想デスクトップやアセスメントなど、四つの新サービスを年内に加えるなどして、アウトソーシングやLCM系のサービスを積極的に拡充。こうした施策によって、向こう2~3年で、グループ向けを除くITプラットフォームビジネスで160億~170億円の年商を目指す。(安藤章司)