ロシアのアンチウイルスソフトベンダーであるDoctor Web(ボリス・シャロフCEO)の日本法人Doctor Web Pacific(菅原修代表取締役)は、このほどロシア国防省などで導入実績のあるアンチウイルスソフトウェア「Dr.Web(ドクターウェブ)」を国内文教市場向けに販売を開始した。文教市場での独占販売権を取得したチエル(川居睦社長)を通じて、小・中・高校向け無制限ライセンスなどを提供する。「Dr.Web」はネットフォレストを通じて大学などに販売していたが、学校に対する拡販はこれが初めてだ。

 Doctor Web社は、開発者のイゴール・ダニロフ現CTOが1992年に設立したアンチウイルスソフトの世界的な先駆企業だ。ロシアを中心に、国防省や政府機関、石油・エネルギー関連施設、地方自治体などに納入した実績がある。本社はモスクワにあり、サンクトペテルブルクで研究開発を行っている。

 「Dr.Web」は、グローバルな監視ネットワークで24時間365日、世界中のウイルス・サンプルを収集し、新サンプルを発見次第、即時更新。1時間あたり数回の更新を行うのが特徴だ。第三者機関「Anti-Malware Test lab」が昨年9月に発表したウイルス検出力評価では、検出率99%で世界2位を誇っている。シャロフCEOによれば、「『Dr.Web』が競合他社製品と異なるのは、ウイルス感染後の駆除ができることだ。駆除後の対処方法を示すことができるソフトは世界で『Dr.Web』だけ」という。

 具体的な製品の特徴について、ダニロフCTOは「『Dr.Web』は、多変形のウイルスも検出でき、変形ウイルスの駆除も素早くできる」と話す。今回、チエルとの協業で文教市場に向けて「Dr.Web」を販売するが、過去の実績として67%の顧客がテクニカルサポートを必要としないほど、「ユーザーインターフェースがわかりやすく運用トラブルが少ない。IT管理者が不足する学校でも安心して使える」(菅原代表取締役)という。

 チエルが文教向けに提供する製品は、校内の全パソコンにインストールできる「Dr.Web 小・中・高校向け無制限ライセンス」、学生や教職員の人数に応じて提供する「Dr.Web 大学向けライセンス」、チエル製のオールインワンサーバー「eNetstar」にメールフィルタリングとウェブゲートウェイをパッケージ化した「eNetstar Dr.Web Mail&Gateセキュリティパック」の3製品。チエルでは、直販とチャネル販売の両面で導入を促す。(谷畑良胤)

左からDoctor Web社の創設者であるイゴール・ダニロフCTOとボリス・シャロフCEO、日本法人の菅原修代表取締役