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ヌーラボ 福岡発のITベンチャー 海外ベンダーとの提携を推進

2012/03/01 20:07

週刊BCN 2012年02月27日vol.1421掲載

 福岡県に本社を置くITベンチャー、ヌーラボ(橋本正徳代表取締役)は、グローバル展開を加速している。海外ベンダーとの提携を推進し、自社開発のプロジェクト管理ツール「Backlog(バックログ)」や、リアルタイムコラボレーションツール「Cacoo(カクー)」の拡販につなげる。

 ヌーラボは、2004年3月設立のITベンチャー。「Backlog」「Cacoo」という自社開発の製品をもっており、海外展開に積極的に取り組み続けている。

 海外展開に拍車をかけるため、シンガポールに現地法人を設立した。シンガポールはアジア各国へのアクセスにすぐれたハブ地域で、高成長を続けている新興市場へのアプローチが容易という利点がある。現在検討しているのが、ユーザーからのフィードバックページを提供するサービスを手がけるUserVoiceとの連携だ。「Backlog」にタスクとして登録できるようになる。「ウェブAPIを公開しているし、いろいろなツールと組み合わせていきたい」(橋本代表取締役)。

 「Backlog」は、ASP型のプロジェクト管理ツール。チームで進めるプロジェクト管理やToDo管理、自分の目標管理などに活用できる。容量や機能によって価格が発生するフリーミアムモデルを採用し、700社以上のユーザーのうち、30%程度が有料プランを利用している。すでに単月黒字化を成し遂げた。

 一方で「Cacoo」は、ワイヤーフレームやソフトウェアの設計図をブラウザ上で作成でき、オンライン文書に挿入できる。こちらも同様にフリーミアムモデルを採用している。特筆すべきは、最初に英語版をリリースしたということだ。すでに35万人のユーザーのうち、75%程度を海外ユーザーが占める。橋本代表取締役は、「英語のウェブメディアで取り上げられたり、クチコミで広がったりして増えてきた。黒字化までもう少し」と話す。

 海外市場での足場を固めて、売り上げの拡大を目指す。(信澤健太)
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