オーストラリアのビジネスインテリジェンス(BI)ソフト開発ベンダーYellowfin(イエローフィン、グレン・ラビーCEO)は、「スマートデバイス」と「現場のビジネスパーソン」の二つを軸に、日本での市場開拓に取り組む。同社は、「すべてのビジネスパーソンがスマートデバイスでBIを活用する」(ラビーCEO)とみて、従来型BIとは異なる切り口で、総代理店の京セラ丸善システムインテグレーションとともに国内ビジネスの拡大を目指す。

グレン・ラビーCEO
 BI市場は世界的にみて、IBM「Cognos」やSAP「BusinessObjects」をはじめとする老舗のBIソフトが幅を利かせている。Yellowfinは、経営者やビジネスアナリストが主なユーザーだった従来型BIのアンチテーゼとして、現場のビジネスパーソンが活用できるBI開発に重点を置き、かつ扱いやすいiPhone/iPadなどのスマートデバイスを大手よりも一歩早く取り込むことで、売り上げを急速に伸ばしてきた。

 例えば、スマートデバイスを携帯する現場の営業責任者が、刻一刻と変化する在庫の状況をYellowfinを経由して把握したうえで、顧客との価格交渉に用いるケースが増えている。ベースには販売管理システムがあるが、こうした基幹業務システムは往々にして出先で容易に閲覧できる仕組みにはなっておらず、だからこそYellowfinの存在価値を発揮できる領域となる。同社の今年度(2012年6月期)の売り上げは前年度比40%増の見通し。「北米市場を中心に伸びた」(ラビーCEO)ことが売り上げ増につながった。ライセンス販売数はすでに100万件を超え、世界35か国に展開している。

 今後はスマートデバイスの特性である位置情報やソーシャル機能をYellowfinに積極的に取り込んでいく。「ビジネスデータのおよそ8割には何らかの位置情報が含まれており、これを積極的に活用するとともに、ビジネスパートナーを含めた情報共有が今後のBIにはより強く求められる」(同)とみる。同社売り上げ全体に占める日本での売上比率は2~3%に過ぎないが、これを早い段階で倍の水準にもっていく方針だ。(安藤章司)