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日立製作所 マイクロソフトとサーバー仮想化で連携 ソリューション開発拠点を共同で開設

2013/04/04 18:31

週刊BCN 2013年04月01日vol.1475掲載

 日立製作所(中西宏明社長)は、今年1月、日本マイクロソフト(樋口泰行社長)と共同で、クラウド関連ソリューションの開発・提供拠点「Virtage for Hyper-Vソリューションセンター」を都内の「日立ハーモニアス・コンピテンス・センター」内に開設した。サーバー仮想化分野での連携強化を図り、高可用性と柔軟性を両立した高集約システムを低コストで顧客に提案する。

芳野泰成
サーバ開発本部
第4部担当部長
 「Virtage for Hyper-Vソリューションセンター」には、日立製作所と日本マイクロソフトの両社から約10人ずつ、計20人程度が配置され、その半数は専任となる。当面のミッションは、2013年度上期に提供を開始する予定の「高信頼サーバ仮想化ソリューション for Hyper-V」開発の仕上げだ。

 このソリューションは、日本マイクロソフトのサーバー仮想化ソフトウェア「Microsoft Windows Server 2012 Hyper-V(Hyper-V)」と、日立製作所のサーバー論理分割機構「Virtage(バタージュ)」を組み合わせたものだ。1台の物理サーバー上に複数のHyper-V環境を集約することができるようになり、効率的なクラウド運用を実現する。

 日立製作所のバタージュは、物理サーバーのCPU、メモリ、I/Oを論理的な単位(LPAR)に分割する技術。LPAR間の高い独立性を実現し、物理サーバーと同等の信頼性を確保できることから、企業の基幹系・大規模システムなどに幅広く利用されている。また、LPAR上でサーバー仮想化ソフトウェアを安定的に動作させる技術も搭載している。

渡邊孝行
プラットフォームサービス開発本部サポートサービス設計部主任技師
 日立製作所情報・通信システム社の芳野泰成・ITプラットフォーム事業本部サーバ開発本部第4部担当部長は「これまでバタージュは仮想化ソフトとしてマーケティングしてきたが、ほかの仮想化技術のように仮想ハードを物理サーバーに生成するのではなく、物理ハードを分割する技術。そのため、競合するのではなく、両者の組み合わせによるメリットを追求したほうがいいと考えた」と新たなソリューション開発の経緯を語る。

 日本マイクロソフトとの協業については、「さまざまな仮想化ニーズ、とくにVDIでは、Windowsを避けて通れない」(渡邊孝行・同事業本部プラットフォームサービス開発本部サポートサービス設計部主任技師)といい、ハイエンドの機能をもち、ミッションクリティカルな使われ方をしてきたバタージュの適用範囲を広げる意図がある。

 「Virtage for Hyper-Vソリューションセンター」では、提供開始までにオーバーヘッドを減らし、処理性能をさらに上げるブラッシュアップ作業を続ける。プロモーション活動や導入コンサルティングも、センターが主体となって推進していく。(本多和幸)
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外部リンク

日立製作所=http://www.hitachi.co.jp/

日本マイクロソフト=http://www.microsoft.com/en-us/default.aspx