【北京発】中国IT大手の航天信息(Aisino、時暘董事長)は、12月4日、中国電子信息産業発展研究院が主催するイベント「2015中国信息産業経済年会(ITEC2015)」に参加した。同社の於亮・副董事長総経理は、中国政府が掲げるあらゆる産業のインターネット化「互聯網+」行動計画について、自社の戦略や取り組み状況を紹介した。(真鍋武)

航天信息
於亮
副董事長総経理
 航天信息は、中央国有企業である中国航天科工集団傘下のITベンダーで、電子・通信機器やSI・ITサービスを提供。中国政府との強固な連携を武器に、税務や政務、公安、交通、金融、通信、教育などの業界を得意としている。保有する顧客データ数は600万件を超えており、工信部が公表した2015年版の「中国ソフトウェア業務売上高トップ100社」では11位につけている。

 於・副董事長総経理が自社の「互聯網+」に関する取り組みについて真っ先に挙げたのは、税務の領域だ。中国では近年、増値税対応などで大規模な税制改革が進んでいる。航天信息は、政府と連携してクラウド・ビッグデータを活用した「互聯網+税務プラットフォーム」を構築。すでに同社の増値税発票システム「金税盤」は、政府指定の増値税税金統制設備として中国全域の企業に浸透している。於・副董事長総経理は、「ビッグデータとクラウドなど最新ハイテクを利用し、旧来のシステムを全般的にアップグレードすることで、全国の中小企業数百万社の経営データのタイムリーな情報伝達を実現した」と語る。

 最近では、電子発票のサービス管理プラットフォームを開発した。中国政府はEC産業の急速な発展などを受け、現在、発票のペーパーレス化を目的に電子発票の普及を推進している。北京や上海、浙江省、深セン市などが電子発票の試験地区に指定されており、同プラットフォームを税務機関や企業は利用することになる。於・副董事長総経理によると、北京市では、最大で1日あたり85万枚以上の電子発票が発行され、年間では2・3億枚に相当する。「航天信息は、現在、デジタル税務に注力している。デジタル技術と税収ビジネスを融合して納税者のニーズに適合させ、インターネットによる税務申請や処理を実現する。一つのプラットフォーム上で、すべてのニーズを整合させる」と意欲を示した。

 このほか、於・副董事長総経理は、食品・薬品管理、出入国情報管理、越境EC、セキュリティ、企業信用調査などの領域で互聯網+プロジェクトを推進していることを説明。食品・薬品管理では、今年7月に内蒙古食品薬品安全監督管理局と協業し、食品・薬品企業を管理する「互聯網+食薬監総合サービスプラットフォーム」を構築した。今後、全国に普及を推進していく予定だ。

 航天信息の14年度(14年12月期)の売上高は、前年比20.36%増の199億5919万547元。営業利益は同16.91%増の19億4299万4063元、純利益は同5.04%増の11億4763万9358元だった。於・副董事長総経理は、「『第12次5か年計画』の期間中は、売上高と利益の年間2ケタ成長維持を実現した。グローバルビジネスにも進歩があり、十数か国・地域に製品を輸出している」と説明。来年からの「第13次5か年計画」の最終年である20年には、「中国・グローバルの一流SIerになり、15年比で売上高・利益の倍増を狙う」との目標を掲げた。