ピー・シー・エー(PCA、水谷学社長)とサイボウズ(青野慶久社長)は、パートナー向けのプライベートセミナーを都内で開き、PCAが新たに開発したクラウドサービス間連携のための開発ツール「PCAクラウド Web-API」を先行公開した。

 両社は昨年10月、クラウドビジネスでの協業を強化する方針を明らかにし、PCAのクラウド基幹業務ソフト「PCAクラウド」と、サイボウズが提供している業務アプリケーション構築のためのPaaS「kintone」を連携させたソリューションを提供していく意向を示した。具体的なロードマップとしては、PCAが2016年4月にPCAクラウド Web-APIをリリースする計画で、これを活用することで、基幹系アプリケーションと情報系アプリケーションのシームレスなクラウド連携を実現しようというコンセプトだった。今回のイベントでは、このPCAクラウド Web-APIの概要を正式リリースに先駆けて公開し、PCAクラウドとkintoneの連携のポテンシャルをパートナーに強くアピールしたかたちだ。

 従来、PCAクラウドのカスタマイズニーズに応えるためのツールとして、PCAは「PCAクラウドAPI」を提供してきた。ただし、このPCAクラウドAPIは、エンドユーザーがPCにインストールして使うクライアント実行型のAPIであり、オンプレミスで開発したカスタマイズプログラムをPCAクラウドでそのまま使える一方で、モバイル対応や他のクラウドサービスとの連携という面で制約があった。PCAは、PCAクラウド Web-APIのリリースにあたって、このPCAクラウドAPIを「PCA Client-API」と改称し、両者の違いをよりわかりやすく示すことにしたという。

 PCAクラウド Web-APIの概要を説明した黒川明宣・テクニカル・サポート・センター部長は、「Web-APIは、クライアント側に実行環境が不要で、モバイル対応が非常に簡単になった。また、同様のかたちでAPIを提供しているさまざまなクラウドサービスをPCAクラウドと組み合わせて、新しいクラウドソリューションをマッシュアップで簡単につくりあげることができるようになる」と説明し、パートナーにとって新しいビジネスの可能性をもたらすツールであることを強調した。さらに、同社の伊藤真一郎・DSS事業部次長は、PCAクラウド Web-APIを活用したkintoneとの具体的な連携のかたちについて、「ワークフローで承認された申請データを会計の仕訳伝票と直接連携させたり、見積書作成アプリのデータと販売管理の受注伝票・売上伝票を連携させたり、可能性は無限に広がるといいたくなるくらいに期待は大きい」と、具体例を交えながら解説した。

 サイボウズの栗山圭太・執行役員営業本部本部長も、PCAとの協業の意義を参加したパートナーに訴えた。「Web-APIでクラウド間連携ができるようになったことで、基幹系×情報系ソリューションの提案コストは劇的に下がり、新しい市場を開拓できる可能性も出てきた。PCAとkintone、それぞれのパートナー同士が手を組んで新しいソリューションを提案するのも有効だと思う」と、両社のパートナー同士の連携も促していく考えを示した。(本多和幸)

両社ともパートナーの関心は高い