富士通(田中達也社長)は、富士通グループの主要データセンター(DC)の一つである館林DCに新棟である「C棟」(4000ラック)を開設し、4月5日に稼働した。同日、開所式を開くとともに、内部をメディアに公開した。富士通は昨年、「お客様のデジタル革新を実現するための、クラウドをベースに最先端技術を実装したデジタル・ビジネスプラットフォーム」として、「MetaArc」の提供を開始したが、今回稼働した館林DCのC棟は、このMetaArcの中核拠点として活用することになる。

クラウド運用のための機能などを強化した


小林俊範
執行役員
アウトソーシング事業本部長
 新棟の建設にあたっては、まず、環境性能の大幅な向上を目指したという。自然対流を最大限に活用する建屋構造にし、吸排気用電力の削減を実現しているほか、サーバー室の暖気と冷気をミックスする新しい空調方式も採用し、送風ファンの出力の低減を図った。さらに、外気冷房の利用時間は、従来の約3250時間から、1年の80%に相当する約7000時間まで拡大する。小林俊範・執行役員アウトソーシング事業本部長は、こうした取り組みにより、「電力効率は国内最高水準であり、PUE(電力効率の指標で1に近いほど高性能)は設計値で1.20を達成している」と自信をみせる。
 また、全国の富士通DCや同社のクラウドサービス、他社クラウドも含めて接続可能な閉域ネットワークを標準装備しており、ハイブリッドクラウドのニーズに応える。

田中達也
社長
 「スタンダード室」「クラウド室」「FISC対応室」という、要件によって選択できる3タイプのサーバー室を用意したのも新棟の大きな特徴だ。スタンダード室は、従来通りのティア3準拠のサーバー室。クラウド室は、クラウド運用のための高集積・高電源容量に対応した。FISC対応室は、金融分野の顧客向けの、文字どおりFISC安全対策基準に準拠したサーバー室で、「UPSを完全に二重化した、ティア4をさらに上回る信頼性を実現した」(小林執行役員)のが今回の新たな試みだ。

 開所式に出席した田中社長も、「これまで富士通が蓄積してきた知見を注ぎ込み、お客様のデジタル革新を実現するための最先端のDCを整備した」と、大きな手応えを感じていることをうかがわせた。(本多和幸)