グレープシティ(馬場直行社長)は、クラウド型のセルフサービスBIツール「DragonFly BI(ドラゴンフライビーアイ)」を6月29日に日本市場で先行発売し、中国をはじめとする各国での販売を順次進めていくと発表した。今回の発表は、同社が得意とするシステム開発ツールではなく、製品であるところがポイントだ。

 ビッグデータで注目された企業のデータ活用は、このところのIoTブームによってさらに盛り上がりをみせている。データを有効活用する手段がなければ、ビッグデータもIoTもまったく意味をなさない。古くからあるBIツールだが、この時期にグレープシティがBIツール市場に参入するのは、そうした背景があるからだ。

 「BIツールは、多くの企業が提供してきている。ただ、多機能になりすぎて使いやすいと思えるツールがなかった。誰でも使えるシンプルなBIツールを目指した」と、里見真希・第1ツール開発事業部マーケティング担当は自社開発に至った経緯を語る。そのため、「BIツールには未来を予測する分析エンジンをもつものもあるが、現場の担当者が業務の課題解決に必要な機能に特化した」(里見氏)とのこと。

 DragonFly BIには、グレープシティがこれまで提供してきたコンポーネントなどの開発部品で培ったノウハウやアイデアが生かされている。その一つが、Excelライクなスプレッドシート機能。「Excelと同様に、表計算やテーブル作成、条件付書式、Excel関数、ピポットテーブルなどが利用できる。ピポットテーブルの利用経験があれば、すぐに使いこなせる」と内山豊・第1ツール開発事業部プロダクトマネージャは使いやすさを説明する。

Excelデータや社内システム、クラウド上のデータなどと接続できる

 また、DragonFly BIでは、Excelデータや社内システムに加え、クラウド上のデータも取り込むことができる。データセットの共有が可能なため、情報システム部門が分析用のデータを用意し、社員が利用するという運用も考えられる。「データセットを共有できるので、個人だけでなく、部門または企業全体で活用していただきたい」(内山プロダクトマネージャ)。クラウドサービスであることから、社外で利用することも可能だ。

内山 豊・第1ツール開発事業部プロダクトマネージャ(左)、
里見真希・第1ツール開発事業部マーケティング担当

 現場で必要とされる機能に特化し、まずはシンプルなBIツールであることを目指したDragonFly BIだが、今後はユーザーの声を反映するかたちで機能強化に取り組む考えだ。なお、DragonFly BIには14日間利用できる無料評価版が提供されている。(畔上文昭)