日本コンピュータシステム販売店協会(JCSSA、大塚裕司会長)は12月12日、「第6回JCSSA景気動向調査」の結果を発表した。同調査は、JCSSA会員企業187社(正会員108社、賛助会員79社)を対象に11月2日から11月18日の期間で実施。有効回答数が124社である。

 景況感判断は、DI(Diffusion Index)値を集計。DI値は、企業や業界などの景況感や業況感、設備、雇用人員の過不足などを数値化する際に用いる指標で、「良い」と答えた回答会社の割合から「悪い」と答えた回答会社の割合を引いて算出する。

 今回の調査によると、景況感に関するDIは持ち直しの傾向がみられ、DI項目すべてでプラスの値になっている。「景況感の現状判断DI」は8.1と前回(2016年5月調査)比で6.4ポイント改善したほか、「半年前との比較DI」は5.6と低水準ながらも、2桁マイナスを記録した前回に比べて、21.4ポイントという大幅な改善がみられた。

 さらに「半年間の見通しDI」もマイナスだった前回から、8.9と15.6ポイント改善した。JCSSAは、「それぞれのDIは低く楽観視はできないものの、おしなべて低調だった前回に比べて、景況感は着実に回復していることがわかる」と判断している。

 「設備投資DI」は、33.1と比較的積極的で前回比でも0.6ポイント上回った。一方、前回比で大きく下回ったのが、「賃上げDI」。40.3と前回に比べ10.5ポイント後退した。また「賞与DI」についても、24.2と7.5ポイントのマイナス。「中途採用DI」についても9.3ポイントマイナスの27.4にとどまった。逆に、「新卒採用DI」に関しては前回比で1.9ポイントプラスの20.2と、わずかながら改善している。

 JCSSAでは、6月の国民投票で英国のEU離脱が決定し、11月には米大統領選で大方の予想を覆しドナルド・トランプ氏が次期大統領に決まるなど、世界的に不安定な情勢が続いていることから、経済のトレンドを見極めたいという様子見の動きが広がっているためとみている。

 今回は、増加傾向にある企業のセキュリティ被害の状況についても調査している。JCSSA会員の顧客企業が、この1年間でセキュリティ被害に遭ったかどうかを聞いた設問では、25.0%が被害の事例があったと回答した。うち4.0%は「甚大な被害の事例があった」としていて、企業においてのセキュリティ被害が日常的に発生している実態がわかった。

出典:第6回JCSSA景気動向調査(2016年11月)

 被害の内容で、最も多かったのが「ランサムウェアを使った詐欺・恐喝」で67.6%。ほぼ7割がランサムウェアによる被害だった。なかには「ランサムウェアがサーバーにまで感染した」との報告もあり、ランサムウェア被害の深刻さが明らかになった。

 また、「フィッシングメールなど標的型攻撃によるマルウェア感染」も47.1%と多く、「ファイルサーバーの利用ができなくなった」などの事例報告もあった。これらに対し、会員企業が顧客に対して実施した提案は「セキュリティ関連ソフトの導入・更新」(64.8%)、「ネットワークの監視・分離」(55.6%)、「セキュリティハードの導入・更新」(51.9%)などであった。(畔上文昭)