日本情報通信(NI+C、廣瀬雄二郎社長)が手がけている「IBM Bluemix Dedicated(ブルーミックス・デディケイテッド)」を活用したサービスの引き合いが増えている。通常のBluemixは海外のデータセンター(DC)を活用するが、Dedicated版は国内にあるDCを使うこともあり、データを海外に持ち出したくないユーザーで、なおかつアプリケーション開発にPaaSであるBluemixを活用したいユーザーのニーズにマッチ。情報セキュリティを重視する金融機関のユーザーからの引き合いが相次いでいる。

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常田秀明クラウドエバンジェリスト(右)と
山口拓也氏

 基幹系システム(SoR)の構築を長年にわたって強みとしてきたNI+Cだが、ここへきて金融業のユーザーを中心にFinTechなどを活用したSoE(価値創出型システム)に強い関心を示すようになった。SoE領域は、継続的な開発やデリバリ(CI/CD)が求められることが多く、BluemixをはじめとするPaaSを活用したほうが効率がいい。

 そこでNI+Cは、国内のDCを使って「Bluemix」の専用区画をユーザーに割り当てる「NI+C Cloud BMD(NI+Cアプリ開発・実行環境提供サービス)」を提案したところ、「ほぼ期待した通りの良好な反応を顧客から得られた」(常田秀明・先進テクノロジーグループクラウドエバンジェリスト)と手応えを感じている。

 引き合いの中身をみると、モバイル対応のアプリケーション開発の基盤として採用されるケースが多い。昨年末には、広島銀行がスマートフォン向けアプリやウェブ系のサービスの拡充を図る目的で「Cloud BMD」を採用している。ソリューションサービス部第3グループの山口拓也氏は、「ITリソースを意識せず、非常に自由度が高く、拡張性にすぐれたシステム構築ができる点がユーザーから評価されている」と話す。

 IT基盤をユーザー自身で揃えなくてもいいPaaS/IaaSのメリットと、国内DCの専用区画を活用する情報セキュリティ面での安心感が需要増に結びついた。

 誰でも使えるパブリックなBluemixは、直近では米本国、オーストラリア、英国の3か所のDCで運営されており、Dedicated版が各国・地域のDCで運営されている。国内ではNI+CがDedicated版を手がけており、この専用区画の範囲内においてならNI+C独自の機能を追加できる。パブリックなBluemix上には多くのサードパーティ製のミドルウェアやアプリケーションが使えるようになっているが、ここに登録するにはIBMの世界共通の認証手続きを踏まえなければならない。この点、NI+CのCloud BMDなら顧客の要望に合った機能をタイムリーに追加しやすいというメリットがある。

 NI+Cでは、ユーザーの基幹系システムと、Bluemix Dedicated版を活用したCloud BMDとのAPI連携がしやすい仕組みを拡充していくことで、SoR/SoEの両方の領域でビジネスを伸ばしていく方針を示している。(安藤章司)