福島イノベーションセンターを拡充

 アクセンチュア(江川昌史社長)は、2011年8月に会津若松市に設置したアクセンチュア福島イノベーションセンターを拡充する。従来、首都圏で行っていた基幹系システムの開発やテスト事業などの一部機能を同センターに移管し、同社がグローバルレベルで蓄積してきたデジタル変革のノウハウなどを注ぎ込む。さらに、会津若松市との連携により、先進技術の実証実験拠点としての機能も強化する。

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左から、太田直樹・総務大臣補佐官、室井照平・会津若松市長、アクセンチュアの江川昌史社長、
中村彰二朗・アクセンチュア福島イノベーションセンター長

 こうした機能拡充に伴って、福島イノベーションセンターに配置するリソースも増強する。同社が「次世代高度人材」と位置づけるデータサイエンティストなどの業務拠点を設けるほか、IT領域に特化した日本で唯一の公立大学である会津大学をはじめ、地元教育機関の卒業生や、Uターン、Iターン、Jターン人材の採用も大幅に増やす方針。19年中に、現在の30人弱から200人規模まで組織体制を拡大する。そのうち100人はアクセンチュア所属の社員、残りの100人はパートナー企業から福島イノベーションセンターの事業に参画するイメージだという。

 会津若松市は、首都圏からのICT関連企業誘致を目的として、オフィス環境をPPP(公民連携)で整備しており、19年春に稼働予定だが、福島イノベーションセンターも、ここに拠点を移す計画だ。同市の室井照平市長は、「アクセンチュアをはじめとした多くのICT先端企業に入居してもらい、500人規模の高付加価値部門集積施設として、地方創生の牽引役を担ってもらいたい」と期待を寄せている。

 3月13日には、アクセンチュアが都内で記者会見を開き、福島イノベーションセンターの拡充を発表したが、室井市長のほか、太田直樹・総務大臣補佐官も出席し、「会津若松市は、会津大学を中心にIT専門人材を輩出しているユニークな地域。データ利活用の面でも、ルールにもとづいて地に足のついた活動を展開されている」と、IT産業の集積拠点としての会津若松市のポテンシャルを評価。そのうえで、「地方創生は1987年のふるさと創生から30年やっているが、これまでは、公共事業と工場誘致の二つしか実際の経済効果があるものがなかった。ようやくそれ以外の道、すなわち、ITやデータの活用で実際に雇用を生み、新しい産業をつくっていくというモデルをみせてくれている会津若松市の取り組みには、国としても大いに期待しているし、引き続き支援もしていきたい」とコメントした。(本多和幸)