不動産業向けサービスでの採用相次ぐ

 電子署名サービスとデジタル・トランザクション・マネジメント(DTM)のプラットフォームを提供する米ドキュサインが、日本市場でも存在感を高めている。直近では、不動産業向けサービスに相次いで同社製品が採用され、日本法人であるドキュサイン・ジャパン(小枝逸人社長兼米国本社バイスプレジデント)のビジネス拡大に弾みがつきそうだ。

 今年4月、熊本県を中心に九州地区で事業展開する不動産管理会社の明和不動産管理は、ドキュサインのDTMプラットフォームをベースに、不動産の賃貸借契約更新業務をデジタル化するサービスを開発し、提供を開始したと発表した。日本の不動産業界では、契約更新を紙の書面を通じて行うのが一般的だが、明和不動産管理の新サービスはこれをペーパーレスで完結できるようにしたもの。更新対象者は、クラウド上で書面に電子署名するだけで契約更新が完了し、書類一式の印刷・郵送、返送の手間などがなくなるという。

 さらに、6月には家賃などの決済・収納代行サービスを手がけるインサイトが、ドキュサイン製品を活用した家賃保証契約手続き電子化サービスを8月から提供すると発表した。インサイトが開設する不動産会社向けの家賃保証ポータルサイト上で、家賃保証会社の選択から家賃保証の申し込み、契約までの手続きを完了できるサービスで、これも従来の紙の書面での手続きの手間を削減するというコンセプトだ。将来的には、不動産会社、家賃保証会社、入居者がこのサービスを共通基盤として情報をやり取りできるようにし、「不動産会社、家賃保証会社が従来の煩雑な業務のスリム化を実現でき、入居者に対しては、例えば保険や緊急駆けつけなどの関連サービスの一括申し込みなど、時代に即した利便性の高い有益な新サービスを開発していきたい」(インサイト)という。
 
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小枝逸人
社長兼米国本社
バイスプレジデント

 ドキュサイン・ジャパンは、2015年7月の設立以来、シヤチハタとの業務提携による新たなソリューション開発や、大手SIer、ディストリビュータとのパートナーエコシステム構築に取り組んできた。不動産業向けサービスの両案件は、ソフトバンク コマース&サービス経由でサービスを提供しており、日本市場における拡販体制が機能し始めている様子がうかがえる。

 小枝社長は、「テクノロジーは人間のライフスタイルを変えてきたが、ドキュサインは、習慣やカルチャーまでを変革する。紙を使った業務フローによりシステムとシステムが分断されている部分をデジタル化してつなぐ、デジタルトランスフォーメーションの基礎となるソリューションだ」として、日本市場でのさらなる成長に自信をみせる。(本多和幸)