ICタグ使って自社開発

 大阪府堺市のインキュベーション施設「S-Cube」に本社を置くITクラフト(松下永昌社長)は、自社で販売する「光るICタグ」を使って開発した自動車学校に通う教習生の教習原簿(ファイル)の管理用ラック「楽ラック」を売り込んでいる。これまでに全国で36校に導入。多くの教習所に設置されている「機械式」と呼ばれる旧式のラックが耐用年数を過ぎていることから、その代替品として販売店から問い合わせが増えている。

 同社は、2006年に設立した従業員6人の中小ITベンダー。RFIDを利用したシステム開発で約20年の経験がある社員で構成され、低周波・HF・UHF帯のタグを利用した業務提案を得意としている。

 10年ほど前、自動車学校向けの機材などを提供する販売店から要請を受け、光るICタグを使ったラックを開発した。同タグは、日立製作所の商社から購入した電子デバイスを使って開発した。充電効率は高いが、他の機器に影響を与えないという。

 楽ラックのきょう体(棚部分)は市販品だが、棚板にアンテナやリーダーを仕込み、教習生の教習原簿に光るICタグを施した仕様になっている。教習生に配布しているICカードをリーダーにかざすと、その教習生の教習原簿のファイルが光り、すぐに所在がわかる。
 
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教習原簿を管理するラック「楽ラック」。棚前にはアンテナと、付属のリーダーを施してある。
教習生がICカードをリーダーにかざすと自分の原簿が光る仕組み
 
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今井 毅
シニアマネージャ

 価格は、600冊収納できる製品で約200万円。最大1200冊までの製品を揃えている。同社の今井毅シニアマネージャは、「機械式のラックは20年以上前に入れた製品が多く、耐用年数を過ぎている。機械式もなく、手作業で管理している所を含め、当社製品を必要とする教習所は、全国に900校程度はある」と市場規模を説明する。

 これまでに導入した最大規模は、東京と神奈川で展開する自動車学校「コヤマドライビングスクール」で、600冊仕様のラックを10台以上納品したという。

 同社では、機械式の入れ替え時に販売店を通じ提案している。最近では、「教習所で多く使われている業務管理システムと連携した提案も行っている。ここ数年では、月4~5件程度の見積書を提出している」(今井シニアマネージャ)と、販売が好調に推移している。

 同社は今後、販売店を通じて自動車教習所に対する販促を強める一方、病院のカルテ管理や、製造工場の色見本管理などに応用していく方針だ。(谷畑良胤)