【上海発】騰訊雲(テンセントクラウド)は9月1日、パートナーと共同で「クラウド+サービス」をテーマにセミナーを開催した。会場の「上海龍之夢万麗酒店」には、クラウド導入を検討する企業など約200人が集まった。

 インターネット大手のテンセントが手がけるパブリッククラウド「騰訊雲」は、中国本土を中心とする34か所からサービスを提供。「微信」「QQ」「騰訊視聴」など、大規模展開する自社サービスの基盤である特徴を生かし、ゲームや動画配信サービスなどの事業者から支持を得ている。同社の2017年4~6月の業績によると、クラウドを含む「その他事業」の売上高は96億5400万元で、前年同期比177%と拡大した。
 
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丁振海
渠道総監

 セミナーで講演した丁振海・渠道総監は、自社の優位性として、スタートアップ企業に向けた支援プログラム「クラウド+創業扶持計画」を強調した。17年度は、要件に応じて無制限数のスタートアップ企業に1万元、200社に30万元、100社に100万元のクラウド利用や技術トレーニングを無償提供するという。単純計算すると、1億6000万元以上を提供することになる。

 狙いは、支援プログラムを通して自社サービスを扱うスタートアップを囲い込み、彼らの事業拡大とともに自社の収益向上につなげることだ。支援先のスタートアップが配車サービスの滴滴出行や自転車シェアリングのofoのように成長すれば、テンセントクラウドにとってもリターンは大きい。

 また、中国のクラウド市場は成長期にあり、各社は赤字覚悟でサービス値下げや大規模広告を展開して、激しいユーザーの獲得競争を繰り広げている。例えば、競合の阿里雲(アリババクラウド)の17年4~6月売上高は24億3100万元で前年同期から96%伸びたが、営業損失は5億3200万元で同9300万元拡大した。テンセントクラウドの支援プログラムも、こうした販促活動の一環といえる。(真鍋 武)