ネットワンシステムズ(ネットワン、吉野孝行社長)は9月26日、都内最大級の医療拠点である多摩メディカル・キャンパス内の東京都立3病院(多摩総合医療センター、小児総合医療センター、神経病院)の共通仮想基盤をそれぞれ構築したと発表した。これらの環境は、昨年3月から今年3月にかけて稼働している。

 多摩メディカル・キャンパスは、多摩地域の医療拠点として、都内で最大級となる約1600床の病床を有し、各医療施設の連携によって多岐にわたる高度で専門的な医療などを提供している。多摩総合医療センターと小児総合医療センターは、救急医療・がん医療・周産期医療などを中心とした重症度の高い急性期医療、そして神経病院は、脳神経疾患や神経系難病に関する高度で専門的な医療をそれぞれ提供している。

 従来、これらの3病院では、診療部門システムごとに物理サーバーが導入されていたため、投資・運用コストと障害発生時の冗長対策に課題を抱えていた。各病院はこれらの課題を解決するため、診療部門システム共通の仮想基盤を構築することにした。

 今回構築した共通仮想基盤は、診療部門システムを稼働させるため安定性と可用性を重視した。安定性向上については、ネットワンが約40種類もの診療部門システムの各ベンダーからシステム稼働に必要な仮想マシンのCPU/メモリ/ディスク容量/ネットワーク帯域などのICTリソースを個別にヒアリングするとともに、豊富な仮想基盤の構築実績に基づく独自の設計ノウハウを組み合わせることで実現している。

 可用性向上については、物理サーバーが障害などの異常で停止してしまう場合でも、仮想化技術を活用して、他の物理サーバー上で診療部門システムを自動的に再稼働させる仕組みで実現した。また、従来は物理サーバーのメンテナンス時に定期的に診療部門システムを止めていたが、同様に仮想化技術を活用することで、継続して利用することが可能になり、可用性の向上と運用効率化につなげている。

 そして、診療部門システム共通の基盤を整備したことで、セキュリティパッチやソフトウェアアップデートの個別管理から解放するとともに、各種運用・設定ポリシーを統合し、情報セキュリティの強化も実現している。

 これらによって各病院は、従来計約110台の物理サーバー上で稼働していた計約40種類の診療部門システムを共通仮想基盤に移行して計17台のサーバーへと集約することで、設備投資コストと運用管理工数を効率化するとともに、診療部門システムの安定性と可用性を向上した。

 なお、この共通仮想基盤は、ネットワンが運用・監視・保守を担い、24時間365日体制で障害の早期検知と迅速な保守対応を実現している。