中国工業情報化部(工信部)が発表した2017年通期(1~12月)の中国ソフトウェア・情報技術サービス業売上高は5兆5037億元だった。前年比成長率は13.9%で、16年から0.8ポイント向上している。(真鍋 武)

 今回の成長加速は、過去の統計を修正したことによる影響が大きい。昨年1月に工信部が発表した統計では、16年の成長率は14.9%だった。それが今回の最新版で13.1%に下方修正された。
 
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 中国では、遼寧省、天津市、重慶市、内モンゴル自治区などの地方政府が、このところ経済統計を相次いで修正している。これがソフトウェア・情報技術サービス産業にも反映されたものとみられる。

 中央政府は成長重視から品質重視の路線へと舵を切り、データねつ造の撲滅を掲げている。昨年10月の共産党大会で、中国の「新時代」突入を宣言した習近平総書記(国家主席)は、「すでに高速成長の段階から質の高い発展を目指す段階への切り替わった」と話し、品質第一・効率優先の方針を強調した。

 ただし、統計が修正されつつも、ソフトウェア・情報技術サービス産業はGDP成長率を大きく上回る伸びを維持している。今後の発展余地が大きいからだ。中国政府は次世代IT技術を重視しており、インターネット、ビッグデータ、人工知能(AI)と実体経済との高度な融合を促すなどして、新たな原動力を形成する方針を明確に示している。「インターネット+行動計画」「ビッグデータ発展促進行動要綱」「次世代AI発展計画」など、関連政策も続々と打ち出した。工信部情報化・ソフトウェアサービス業司の謝少鋒司長は、「中国ソフトウェア産業の発展は新たな段階に突入した」と意気込む。

 工信部が国家発展和改革委員会(発改委)と共同で発表した「情報産業発展指南」では、20年の中国ソフトウェア・情報技術サービス産業売上高8兆元を目標に掲げる。18~20年にかけて年平均13.4%の成長率を維持すれば達成することができる。

 また、17年の分類別売上高では、ソフトウェア製品が前年比11.9%増の1兆7241億元、情報技術サービスが同16.8%増の2兆9318億元、組み込みソフトウェアが同8.9%増の8478億元だった。ソフトウェア製品では、「中国サイバーセキュリティ法」や「中国製造2025」などが寄与し、情報セキュリティと工業ソフト製品の売上高がそれぞれ前年比で14%、19.9%伸びた。情報技術サービスでは、SaaS、PaaS、IaaSなどのクラウド関連の運営サービスが同16.5%拡大した。

 地域別では、東部地区が前年比13.8%増の4兆3575億元と、依然として全体の80%弱を占めた。中部地区は同15.9%増の2497億元、西部地区が同17.3%増の6187億元、東北地区が同7.1%増の2778億元。省別では、中西部が好調で、陝西省は20%、雲南省や青海省は40%、安徽省は30%程度の高い伸びを示した。

 17年のソフトウェア輸出額は前年比3.4%増の538億元だった。こちらも過去統計の修正を受けて成長率は前年から2.4ポイント上昇した。