Veeam Softwareは2006年に設立したスイスのバックアップソリューションベンダーだ。17年度には成長率36%を達成し、順調にシェアを伸ばしている。グローバルで展開する同社は、市場を米国、EMEA、アジアの三つに分け、それぞれにエリア担当者を置く。同社の今後の成長の要となるのがアジア、なかでも最も注目されているのが日本だ。日本法人、ヴィーム・ソフトウェアは設立して今年が3年目。昨年12月に社長に就任した古舘正清氏が日本の戦略を語る。(山下彰子)

いち早くアベイラビリティに注目

Q 事業についてバックアップといわず、「アベイラビリティ」という言葉を使って説明されていますね。その意図は何でしょうか。
 
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ヴィーム・ソフトウェア
古舘正清 執行役員社長

A 従来のバックアップ市場は、システムやデータのバックアップをとることに注力してきました。ところが、バックアップをとったものの、復元ができないお客様が非常に多い。いざトラブルがあった時、停止時間が非常に長くなり、業務に多大なダメージを受けることが日常的に起きています。ビジネスの継続性を担保するにはバックアップだけではなく、早急な復元が求められています。お客様、パートナー様にバックアップと、何より復元について価値を見直していただきたく、アベイラビリティという言葉を使って説明をしています。

Q 復元のアーキテクチャについて、他社との優位性を教えてください。

A まず、私たちはシステム障害が発生した時、どのくらいの時間で復旧できるかという目標値、RTO(目標復旧時間)を15分以内としています。15分というのは、最低そのくらいの時間でリカバーしないと業務に影響が出ると考えています。

 従来型のアーキテクチャは、システムごとバックアップをとり、システムごと復旧しています。データ量がどんどん増えている今、システム丸ごとではバックアップをとるのも復元するのも時間がかかります。Veeamは仮想マシン単位でバックアップをとり、復元も仮想マシン単位で行います。データの単位が異なることが大きな違いの一つですね。

 さらに、復元する際、壊れたファイルだけ戻すことができるのも特徴です。これにより復元の時間を大幅に短縮できます。

Q 仮想化に特化したVeeam製品が伸びている背景を教えてください。

A データセンターのモダナイゼーションが積極的に取り組まれていること、クラウドやHCIなど仮想化環境を利用する企業が増えていること、この2点が大きな要因といえます。とくに仮想化の利用が増え、従来型のバックアップの延長線で対応することが難しくなりました。新しい仕組みが必要になります。グローバルでVMware、Hyper-Vなど、仮想化のバックアップといえばVeeamという認識が定着しています。日本市場でも今後1年をかけて、この認識を定着させていきたいと考えています。昨年11月に来日したアジア太平洋・日本担当シニア・バイス・プレジデントのショーン・マクレガンが、「日本市場で2倍の成長」と話しましたが、私は倍以上、3倍まで増やしたいと考えています。

今年は三つの柱に取り組む

Q 18年の取り組みについて教えてください。

A チャネルパートナーの拡大、クラウドビジネスの拡大、エンタープライズでの採用件数の増加に取り組んでいきます。そのために、体制も整えています。パートナーの拡大は以前から取り組んできました。今年1月にクラウドのセールス部隊、エンタープライズの営業部隊を新設し、営業体制を大幅に強化しました。人員も増やし、今年度は20人まで増やしました。来期以降も順次増強していきます。

Q パートナー戦略のこれまでの取り組み、今後の方向性を教えてください。

A 昨年もディストリビュータ様を中心に、チャネルパートナー様の拡大に注力してきました。20年までに10倍ぐらい増やしたいと考えています。なかでも、SMB(中堅・中小企業)マーケットを中心としている販売パートナー様を全国的に増やしていきます。それは、Veeamは使いやすいという評価が多く、SMBマーケットと親和性が高いと思っているからです。首都圏の販売パートナー様との結びつきは強固になりました。この流れを全国に加速していきます。

 課題は、Veeamを知らないパートナー様が非常に多く、いかに認知度を上げていくか、技術者の方のトレーニングをしていくか、という点です。そこに力を入れていきます。具体的にはセミナーやカンファレンスを全国的に、前年よりも数を増やして開催することで、1年後にはVeeamを知らないパートナー様がいないようにしていきたいです。

Q バックアップといいますと、ストレージとの親和性が高いと思いますが、こちらの取り組みを教えてください。

A ストレージベンダー様との取り組みも並行して進めています。グローバルではHPE様、ネットアップ様、シスコシステムズ様とリセールしていただける仕組みが確立しています。また、ピュア・ストレージ様と技術的なソリューションができるよう取り組んでいます。今後はティントリ様、日本法人として国産のストレージベンダー様とも同じような仕組みを確立し、広げていきます。