分散したデータを統合するソリューション

 バックアップ、リカバリ、アーカイブなど、データソリューションを提供する米Commvault Systemsは、デジタル革命の取り組みに関するアンケート調査を実施。Commvault Systems Japanの俵雄一・代表取締役社長は、調査結果の総論として、「企業のデジタル革命の成功にはセカンダリデータの活用が重要」とした。

 調査は日本を含む7か国のIT部門1200人を対象に実施。日本では担当役員75人、情報システム担当者125人の計200人から回答を得た。日本では約7割がデジタル革命の取り組みを実施していると回答し、グローバル平均の59%を大きく上回った。ところが、順調とは言い難い状況もわかった。

 デジタル革命では生産性の向上、ITを活用した新たなビジネスを創出するため、データの活用が重要だ。しかし、データが分散してまとまっていない(31%)、十分なデータを収集していない(22%)とデータに関する課題が浮き彫りになった。
 
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俵 雄一
代表取締役社長

 俵社長は、「デジタル革命を起こし、データを使ってどのように生産性を高めていくかが重要な課題になっている。労働力人口が減少する日本ではその流れがますます加速する。データの保存場所としてクラウドの利用を検討する企業は多いが、米国ではクラウドからオンプレミスに戻るブーメラン現象が起こっており、今年には日本でもこの現象が起こり始めるだろう。つまり今年は、デジタル革命の加速、クラウドのブーメラン現象、そしてセカンダリデータの活用の三つが日本市場で大きな課題になるだろう」と予想した。

 日本企業のデータ活用を妨げているものは何か。伊吹山正郁・セールスエンジニアリング プリンシパル システム エンジニアは、「データが分散しており、企業内にあるすべてのデータを統合することができていない」と話す。頻繁にアクセスできるプライマリストレージと、バックアップやアーカイブを保存するセカンダリストレージがあるが、このセカンダリストレージに約7割のデータが存在するという。このデータは、「ビジネスにあまり関係ないと思われているが、デジタル革命のキーとなるデータ」だと伊吹山システム エンジニアは強調する。このデータが分散し、統合できないことが大きな障害になっているという。

 セカンダリストレージが分散している要因について、「例えば、ファイルサーバーの導入とともにバックアップ用のストレージを購入するが、このストレージがいっぱいになるとアーカイブソリューションを導入するため、専用のストレージが必要になる。これにより二つの分断されたストレージが生まれてしまう。また、APPサーバー、ファイルサーバー、仮想化環境、クラウド、HCIなど、企業内には複数のソリューションがあり、それぞれ異なるバックアップ、アーカイブ用のストレージをもっている。つまり、セカンダリストレージが複数、バラバラに存在している」と説明する。セカンダリストレージが複数存在するため、効率よく情報を収集できず、データを分析できないということだ。

 企業内のソリューションを一つに統合することは難しい。そこで同社が課題解決のために提案するのが、昨年末にリリースしたセカンダリデータを統合・管理できるスケールアウト型ソリューション「Commvault HyperScale」だ。ソリューションを一つにまとめるのではなく、セカンダリデータを統合し、「一つの大きなプール」とすることができる。物理サーバー、仮想サーバーを問わず、またファイル、システム、データベース、アプリケーションなど、さまざまなデータを保護・管理できる。「一つのプールのなかにこれらのデータがあるので、すべてのデータを使った分析ができる」と伊吹山システム エンジニアと語る。

 ラインアップはリファレンスデザインとして富士通の「PRIMERGY RX2540 M4」、日本HPEの「HPE ProLiant DL385 Gen9 &Gen」、Dell EMCの「PowerEdge R730XD &740XD」がある。またハードウェアの規定を定めた「Cisco ScaleProtect」として、シスコシステムズの「UCS C240 M5L」「UCS S3260 M4」も用意した。このほか、近いうちにアプライアンスの提供を日本市場で開始する予定だ。

 俵社長は、「HyperScaleをポートフォリオに加えたことで、ソリューションの機能としてもプラットフォームとしてもデータに関するニーズすべてを受け入れられるようになった」と話す。(山下彰子)