【上海発】中国の製造業に課せられる増値税の税率が、5月から引き下げられることが決まった。好調な製造業のIT投資がさらに増えるきっかけになる可能性があり、製造業を重視する日系ITベンダーにとっては商機の拡大が期待できる。(上海支局 齋藤秀平)

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蘇州セミナーの会場

 増値税の税率は、李克強首相が3月28日に開催した国務院常務会議で決定した。税率は現行の17%から16%に下がる。

 増値税は、日本の消費税にあたる付加価値税。中国の税収の最も多くを占めるといわれており、中国政府にとっては重要な財源だ。

 貴重な税収が下がっても、中国政府が増値税の減税に踏み切る背景には、国策として力を入れている製造業の強化をさらに進めたいとの思惑があるとみられる。

 中国政府は現在、「中国製造2025」と銘打ち、第5世代移動通信システム(5G)などの関連領域への大規模な投資を続けている。企業に対しては補助金制度を設け、生産現場へのIT導入を積極的に促している。

 日系ITベンダーにとっては、中国の製造業向けビジネスは大きなチャンスで、2017年は関連の業績が堅調に推移した。各ベンダーは、18年にさらなる成長を目指しており、すでに鼻息は荒い。

 蘇州市では3月29日、ユニリタの中国現地法人備実必(上海)軟件科技(BSP上海)とNTTデータ イントラマートの中国現地法人恩梯梯数据英特瑪軟件系統(上海)が、台湾のソフトウェア企業上海宣光信息技術とともに、中国のITベンダーを対象にした共催セミナーを2年ぶりに実施した。

 このほか、製造業向けの専門部署を設置したり、中国企業への営業を積極的に展開したりする動きもある。今回の減税措置で、中国の製造業向けビジネスはますます盛り上がりそうだ。