日立ソリューションズの企業内検索システムの商談が活気づいている。今年度に入ってからオープンソースソフトウェア(OSS)の検索エンジン「Elasticsearch(エラスティックサーチ)」の取り扱いを始めたところ、顧客からの引き合いが好調に推移。今年度(2019年3月期)の企業内検索関連の受注は、「Elasticsearch効果で倍増する勢い」(松本秀樹・ビジネスコラボレーション本部フロントソリューション部部長)と、手応えを感じている。

 これまで、企業内検索システムは、古くから存在する枯れたジャンルとされてきた。だが、日立ソリューションズが行った事前の市場調査によれば、「検索エンジンのアーキテクチャーの古さが足を引っ張り、使い勝手がよくないといった課題を抱えるユーザーが多く存在している」(山本伸也・ビジネスコラボレーション本部フロントソリューション部グループマネージャ)ことが明らかになる。

 ユーザーの声を集約すると、Googleのような使い勝手のよさが理想的だがデータ保護の観点からGoogleの検索サービスを企業内に導入するには抵抗がある、というものだった。そこで、日立ソリューションズはElasticsearchを使い、企業内に閉じたシステムでありながら、検索エンジンの使い勝手を大幅に改善する提案に力を入れることにした。

 とはいえ、Elasticsearchは、ライバルとなる大手SIerも販売代理店となっていることから、何らかの差別化策が必要となる。日立ソリューションズは、この6月にElasticsearchと連携する独自の「企業内検索基盤」を投入。ファイルサーバーやウェブサイト、データベース、グループウェアなどさまざまな種類の保管先の情報を横断的に検索しやすくするなど、Elasticsearchの機能を補完する製品に仕上げた。

 例えば、「企業内検索基盤」では、「山田花子さんが今月作成した表計算ファイル」といった、細かな属性にもとづく検索機能を強化。同時に、情報セキュリティの観点から「権限がある人だけに閲覧を許す制御」をかけたり、「閲覧はできるがファイルのダウンロードはできないよう制限する」機能も付加。日立ソリューションズが開発してきた文書管理の「活文」の技術を一部応用することで、「企業用途ならではの検索ニーズに応えた」(山本重樹・ビジネスコラボレーション本部本部長)。
 
左から日立ソリューションズの松本秀樹部長、
山本重樹本部長、山本伸也グループマネージャ

 Elasticsearchの検索、分析、可視化、 ログ収集などの関連コンポーネントを集めた「Elastic Stack(エラスティックスタック)」と、日立ソリューションズ独自の「企業内検索基盤」を組み合わせた導入支援サービスを軸に、企業内検索システムのビジネスを伸ばしていく方針だ。(安藤章司)