アドビシステムズ(ジェームズ・マクリディ社長)は、ウェブ/顧客分析ツール「Analytics Cloud」の新機能として、データ提供会社から匿名の顧客属性データを購入できるマーケットプレイスを日本国内向けに発表した。ネット広告による顧客獲得コストの削減や、自社サイト訪問者の属性分析などがしやすくなる。

安西敬介
プロダクトエバンジェリスト
 マーケットプレイスは、顧客層の分析を行うデータ管理プラットフォーム「Audience Manager」内の新機能として提供を始めた。開始時点でのデータ提供会社としては、ウェブ広告、マーケティング調査、企業データベースなどのサービスを提供する、国内の7社が参画している。

 Audience Managerのユーザーは、データ提供会社が保有するインターネット利用者の属性情報(性別、年齢、職業、興味関心など)をマーケットプレイス上で購入し、顧客層の分析や、広告配信、キャンペーンの実施などのマーケティング活動に活用できる。販売される属性情報には具体的な住所や電話番号といった個人情報は含まれておらず、「男性ユーザー」「○○サイト利用者」といった一般化された形態で提供される。

 このマーケットプレイスは2015年11月にリリースされた機能。当時、日本市場では属性情報として提供できるデータ自体が少なかったため、国内向けの提供は長らく見送られていた。現在ではデータ提供会社の数が増えたことで、「顧客のコンテクスト(文脈)を理解し、積極的に自社が求める顧客層にリーチしていく」ことが可能になったと、グローバルサービス統括本部の安西敬介プロダクトエバンジェリストは話す。マーケットプレイスを先行利用しているKDDIの法人営業部門では、ネット広告による見込み客獲得コストが1顧客あたり「数万~数十万円から数百円レベルへ」下がったという。

 ネット広告会社では特定のターゲットに広告配信を行うサービスが提供されているほか、他社サービスではオラクルも「Data Cloud」にマーケットプレイス機能をもつ。アドビでは、マーケットプレイスで取得したデータをすでにもつ顧客情報と組み合わせることで、広告配信だけでなく、自社サイトのパーソナライズや、自社ですら気づいていなかった顧客層の発掘などにもデータを活用できるのがAudience Managerの強みと説明。今後は提供可能なデータの質を高めることで、他のマーケティング支援ツールとの差異化を図っていく考え。(日高 彰)