Windows 7の延長サポート終了まであと1年半を切った。企業ではWindows 7のPCがいまだに大きな割合を占めるだけに、今後、買い替え特需へと結びつくことが予想される。PCメーカーだけではなく、顧客の要望に応じてPCのキッティング作業を担うディストリビューター、システムインテグレーター(SIer)も特需に向けた対策が求められる。(山下彰子)

左から第1ソフトウェア事業部 営業部 第2グループ
関野直美主任
加藤康佑氏
藤崎次郎主任

市場に新たな選択肢

 ディストリビューターやSIerにとってPCのキッティング作業は、古くからある案件だ。いくつかの使い勝手のよいキッティングツールが長期にわたって定着してきたが、ここにきてそれが変わりつつある。

 ラネクシー 第1ソフトウェア事業部 営業部 第2グループの藤崎次郎主任は「今後、市場ではWindows 7からWindows 10への移行案件が急増する。大量のマシン入れ替えとなれば、作業効率の向上が必須であることから、ディストリビューターやSIerではキッティングツールを見直す風潮が現われてきている」と現場の動向を説明する。

 この市場の新たな選択肢として、今年3月に登場したのがネットジャパンの「ActiveImage Deploy USB」だ。同社のイメージバックアップツール「ActiveImage Protector」の技術をベースにしており、USBメモリーで簡単にクローニングができる。SIerやVAR/OEM向けに、サーバーやPCのキッティングツールとして提供している。

 ネットジャパンと2017年5月に業務提携し、同社の製品を販売しているラネクシーは、今年7月に「ActiveImage Deploy USB」の販売を開始した。
 

作業時間を半分に短縮

 ラネクシーがActiveImage Deploy USBの取り扱いを決めたポイントは、シンプルな操作性と作業効率の良さの二つだと藤崎主任は説明する。ActiveImage Protectorのエンジンを搭載した同製品は、マスターマシンのデータ、設定などをワンクリックでUSBメモリーにバックアップすることができる。USBメモリーを使用することについて藤崎主任は「LANケーブルを使い、ネットワークで配信するキッティングツールもあるが、最近のモバイルPCはLANのインターフェースがないものが多い。そのため、USBで接続できる点はメリットだ」と説明する。マスターマシンのバックアップを取ったUSBメモリーはデプロイ作業用USBメモリーとなり、キッティング対象のマシンに接続して、復元を実行する。

 営業を担当する加藤康佑氏は、同製品の操作性について「マスターマシンのバックアップも、復元もワンクリックで実行できる。誰でも簡単に扱うことができる」とシンプルさを強調する。

 もう一つの優位性が作業効率の良さ。具体的には、バックアップと復元の時間が短い点だ。通常、USBメモリーにデータを書き込む際、FAT32規格でフォーマットする。「その場合、2GBごとでファイルを分割する。例えば、20GBのシステムなら、10個のファイルが出来上がる。バックアップも復元も、10個のファイルを参照しなくてはならず、時間がかかる」と藤崎主任は説明する。それに対してActiveImage Deploy USBはNTFSでフォーマットをかけ、一つのファイルとしてデータを作成する。参照ファイル数を減らすことで、「作業時間を約半分ほどに短縮できたケースもあった」と藤崎主任はいう。
 
 

独自エディションを用意

 ラネクシーはActiveImage Deploy USBに独自のサポートを付けた「ActiveImage Deploy USB -RE」を提供している。エンドユーザー向けの保守サポートとして「ラネクシー プロフェッショナル サポートサービス」を提供する。また、販売代理店のサポートとして、プリセールスサポートを提供しており、ともにエンドユーザーへの提案を行っている。このほか、案件のフォロー、エンドユーザーへの製品の紹介、製品の検証フォローなど、販売代理店のサポート体制を整えている。営業部の関野直美主任は「今後は柔軟な対応が必要なケースが増えると予想している」と話し、販売代理店へのフォロー体制を強化していく方針だ。

 開発元であるネットジャパンとの連携も強固にしていく。「ネットジャパンは高い技術力がある。一方、当社はソフトウェアのパッケージ販売をこれまで行ってきたノウハウがある。互いの得意なところで補い合いながら、拡販を進めていく」と藤崎主任は話す。

 また、プロモーションをネットジャパンと連携しながら展開していくという。すでにラネクシーは同製品の専用ページを開設。FAQなど独自コンテンツを用意した。「細かい技術情報だけではなく、ユーザーが躓きやすい箇所、現場で困ることが多いポイントは、ある程度把握している。こうした内容を盛り込んでいる」と関野主任は説明する。

 今後は販売パートナーを構築するため、パートナープログラムの強化に取り組むという。また、従来のバックアップツールのエンドユーザーを中心に、販売代理店とともにヒアリングを展開しており、キッティングニーズの洗い出しを行っている。そのなかで「Windows Server 2008のサポート終了も近づいていることからサーバー機のキッティングツールとしてのニーズがある」と藤崎主任は話し、提案対象を拡大していく方針だ。

 今後はActiveImage Deploy USB-REの拡販を進めながら、「キッティングしたPCのバックアップとしてActiveImage Protectorの提案につなげていきたい」と藤崎主任は語る。