TIS(桑野徹社長)は自社サービスのデジタル決済プラットフォーム「PAYCIERGE」のビジネス拡大に本腰を入れる。現状の事業規模は60億~70億円規模だが、2020年度(21年3月期)までに売上高を100億円に乗せる計画。デジタルトランスフォーメーション営業企画ユニットの音喜多功・ジェネラルマネージャーは、「潜在的な市場の規模と現在のニーズを考えれば、目標達成は十分に可能」と話す。

 同社はクレジットカード向けの基幹システムなどの豊富な実績をベースに、近年、PAYCIERGEブランドの下、決済関連の自社サービスを拡大してきた。当初は、国際ブランドのデビットカードやプリペイドカードの発行・運営に必要なサービスをパッケージ化して提供するなどの取り組みからスタート。
 
音喜多 功
ジェネラルマネージャー

 近年では、国内外のウォレットサービスのQR決済を低コストかつスピーディーに導入できる「QR×DRIVE」や、QR決済を移動手段の支払いに利用できるようにする「デジタルチケットサービス」、銀行やカード事業者のモバイルアプリに非接触の決済機能を組み込むことができる「WalletEVO」といったモバイル決済まわりのソリューションに注力している。訪日外国人観光客向けだけではなく、国内向けにもさまざまなサービスが登場していることを見据え、19年度はキャッシュレス需要の取り込みを重点的に進めていく。
 
舘 康二
エグゼクティブフェロー

 例えばデジタルチケットサービスについては、国内で唯一QRコードを用いた自動改札を採用している那覇市の「ゆいれーる」で、電子決済サービス「Alipay」を直接利用できるようにする実証実験も行った。19年度はこうした成果を実案件につなげたい意向。舘康二・デジタルトランスフォーメーション営業企画ユニット エグゼクティブフェローは、「QRコード対応改札機を整備しなくても、タブレット端末などの活用などで対応できる可能性もあり、低コストで顧客の利便性を高めるソリューションとして公共交通機関などでの利用が現実味を帯びてきた」と話している。(本多和幸)