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TIS、中国DataMeshと協業、中国でMR技術の共同マーケティングを実施

2019/03/26 15:44

【上海発】TISは3月15日、現実空間と仮想空間を融合させて3D画像を映し出すMR(複合現実)技術を手掛ける中国のスタートアップ企業DataMeshの日本法人との協業を発表した。第一弾として、DataMeshの北京本社とTISの上海現地法人(TISI上海)がパートナーシップ契約を結び、中国で共同マーケティングを実施する。(上海支局 齋藤秀平)

 共同マーケティングでは、中国に進出する製造業やサービス業などを対象に、現場トレーニングや保守点検業務でのMR技術の活用を目指す。TISI上海によると、6月ごろから費用対効果の検証やニーズの発掘を進め、日系企業を中心にソリューションとして展開、年内の案件化を狙う。
3Dシナリオの活用イメージ(TIS提供)

 具体的には、DataMeshは、3Dモデルを活用したシナリオの作成・編集ができるソリューション「DataMesh Director」でトレーニングや保守点検業務向けの教材を作成し、教材はマイクロソフトのHMD「HoloLens(ホロレンズ)」で再生する。TISI上海は、製品導入やプロジェクト支援、アフターフォローを担う。

 TISなどによると、世界各国から工場が中国に集まっているが、従業員のジョブホッピングが頻繁に発生しているため、教育やトレーニング、現場支援が大きな課題となっている。さらに、伝統的な方法では時間とコストがかかり、既存のナレッジデータを十分に活用できない現状がある。課題の解決策として、3Dデータの活用で直感的にトレーニングができ、ベテランが持つノウハウも可視化できるMR技術の活用が期待されており、特に中国はAR/MRの市場として高い成長が予測されている。
TISI上海の塩野星総経理

 TISI上海の塩野星総経理は「トレーニングや保守点検業務にMR技術を活用することで、時間やコストを削減できるだけでなく、新人や現場に慣れていない人を対象に、熟練の従業員が遠隔地から指導をすることも可能になる」と説明し、「今回の取り組みを足掛かりにして、国を挙げて製造業の強化に取り組んでいる中国で、ローカル企業の開拓も進めていきたい」と意気込む。

 DataMeshは2014年に設立したスタートアップ企業で、日本のほか、米シアトルや英ロンドンなどに拠点を持っている。中国語の名称は北京商詢科技。17年10月、マイクロソフトがMR技術に関する優れた技術を持つ企業を認定する制度「Microsoft Mixed Reality パートナープログラム(MRPP)」で、中国初の認定パートナーになった。

 TISは、共同マーケティングの結果を踏まえ、拠点を置くASEAN地域への展開を検討する。また、MR技術を人工知能(AI)やIoTの技術と連携させ、幅広い産業で利用できるソリューションの共同開発も進める。DataMeshとの協業を受け、TISはMRPPのSIファストトラックに認定された。
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