パナソニックは11月28日、半導体事業から撤退すると発表した。11月21日にはパナソニック液晶ディスプレイの液晶パネル生産を、2021年をめどに終了すると発表したばかり。不採算事業を相次いで整理している。


 パナソニックは、14年4月に魚津・砺波・新井の北陸工場の半導体ウェハ製造工程を、イスラエルの半導体ファウンドリ企業タワーセミコンダクター社との合弁会社に移管した。同年6月にはシンガポール、インドネシア、マレーシアに保有していた半導体組立工場を香港に本社を置くUTACマニュファクチュアリングサービシーズへ譲渡。その後も国内外拠点の統廃合を進めており、アセットライト化による事業リスクの低減を図り、競争力の強化に取り組んできた。

 しかし近年は、競合他社の勢力拡大、注力事業への巨額投資、M&Aを通じた業界再編の進行など、半導体事業を取り巻く競争環境がより一段と厳しくなり、事業を成長させるためにはさらなる事業運営強化と継続した投資が必要になる。こうした状況からパナソニックセミコンダクターソリューションズ(PSCS)が運営している半導体事業を、台湾に本社を置く半導体企業であるWinbondElectronicsCorporation傘下のNuvotonTechnologyCorporation(Nuvoton)に譲渡することを決めた。Nuvotonとは株式資産譲渡契約を結び、20年6月をめどに事業を譲渡する。

 パナソニックは、1957年にフィリップスとの合弁会社として松下電器工業を設立し、高槻工場で半導体生産を開始した。その後、93年にはフィリップスとの合弁を解消し、松下電器工業をパナソニックの100%子会社とした。同社にとって半導体事業は60年以上の歴史を持つ事業だったが、今回の経営判断により、一部の部材を除いて事実上半導体事業から全面的に撤退することになる。