東芝(綱川智社長)は2月14日、同社連結子会社の東芝デジタルソリューションズ(TDSL、錦織弘信社長)の子会社である東芝ITサービス(TSC、石野誠社長)での「実在性の確認できない取引」に関する調査結果と今後の対応について発表した。


 東芝は、TSCについて、実在性に疑義のある取引が複数年にわたり行われていた可能性があることを認識したことから、調査途中ではあったものの、1月18日付でTSCによる実在性の確認できない取引に関する発表を行った。

 今回、その後の調査の結果、TSCを間にはさんで外部の他社の調達先と販売先との間でいわゆる循環取引と商品が実在しない架空取引があり、TSCが契約当事者となっていたとの判断に至った。一方、この取引は、特定の取引先の営業担当者が主導して組成したものと考えられ、調査で発見された証拠に基づけば、同取引の組成へのTSCの役職員による主体的な関与は認められず、TSCの役職員による組織的な関与も認められなかった。

 また、TSCでこの取引を直接担当していた特定のTSC従業員を含め、TSCの役職員が同取引が架空取引または循環取引であったことを認識していたことを証明する直接的な証拠も発見されなかった。

 調査によって、TSCの主体的な関与、意図的な関与、組織的な関与は認められなかったが、TSCでは、物販と役務提供での納品・検収証憑確認、社内でのけん制機能、業務の属人化、担当者の注意義務懈怠や知識不足などに課題があったと考えられるとした。

 これを受け、TDSLグループでは、原則としてTDSLグループによる役務、サービス提供などの付加価値をともなわない自社製品以外の直送取引を行わないことにした。また、さらなる業務プロセスの改善や内部統制の強化に向けて、販売先に提示する見積書と作業完了報告書の確認や物販・役務に関する社内規程の整備・運用、監視・監督体制の実効性強化、内部通報制度の周知再徹底を図る。加えて、社内審査会議の充実や牽制機能の強化、業務属人化防止のための人材ローテーション、従業員教育の継続、強化、社内評価制度の見直しを実行していく。

 また、東芝グループとしても、これまでの内部管理体制のさらなる運用強化に努めるとともに、外部による不正に対する備えが十分ではなかったという反省から不正リスク評価、調査のあり方についても検討を進めていく方針。