HDCE-TX30は、IP伝送の標準規格である「SMPTE ST 2110」に対応し、カメラとCCU間の映像・音声信号を双方向伝送できることに加え、IPタリー、IPインカム、PTP同期にも対応している。設置性に配慮しコンパクトに設計しており、中継車の乗り入れが難しい環境などでも、最小限の機材と人員でライブ中継などの映像制作を実現する。
また、SMPTE ST 2110方式をサポートするSDI-IPコンバーターボード「NXLK-IP51Y」「NXLK-IP50Y」の機能を拡充する。9月予定のソフトウェアアップデートによりカラーコレクションに対応するほか、有償ライセンス「NXLL-AS50」によりオーディオディレイ機能に対応する。SDIとIP信号の相互変換を行う際の色調整や音声同期などを改善することで、ポストプロダクションの時間短縮を支援する。なお、有償ライセンス「NXLL-MC50」(1月提供)により、HDR対応や4K・HDのアップ/ダウンコンバージョンに対応している。
また、光学ヘッドシステムDCHS(Dual Channel Head System)を2台搭載し、ファイル転送速度のさらなる高速化を実現したXDCAMドライブ「PDW-U4」を12月に発売する。PDW-U4は、XDCAMディスクに収録されたファイルのノンリニア編集機への取り込みや、編集後のファイルの書き出しスピードを大幅に改善し、番組制作のワークフローのさらなる効率化を実現する。税別価格は60万円。
報道取材や番組制作、スポーツ・ライブ収録などに適したXDCAMショルダーカムコーダー「PXW-Z750」では、7月予定のファームウェアアップデート(Ver.2.0)により、4K/HD同時記録機能を拡張する。XAVC 4K 60p撮影時、同時記録するHDでもXAVC HD 60pが選択できるようになる。4K素材・HD素材のタイムコードが完全に一致しているため、編集の効率向上を図ることができる。
さらにソニーでは、コンテンツ配信をはじめとする視聴環境の多様化にあわせて、HDRソリューションの機能拡張も進めていく。今夏から、スポーツ中継や音楽ライブなどで活用されているHDRプロダクションコンバーターユニット「HDRC-4000」に加え、HDCシリーズのカメラシステムでも、HDR/SDRに関連する設定データ群を、各機器のSDI信号上に「SR Live Metadata」として出力することが可能となる。
また、SR Live Metadataは、収録時にもファイルに記録される。映像制作用プラットフォーム「Catalyst Prepare」上にSR Live Metadataを記録したHDRファイルをロードすると、メタデータ情報を元にSDRへの変換が行え、現行のHD SDRポストプロダクション工程に容易に取り込むことが年内に可能となる。すでに対応済みのプロダクションビデオサーバー「PWS-4500」や4K XAVCレコーダー「PZW-4000」に加えて、「PXW-Z750」「PXW-Z450」のカムコーダー2機種が新たに対応予定となっている。