新型コロナウイルスの感染拡大は、IT業界にも大きな影響を与えている。パートナービジネスでは、対面の商談や打ち合わせが難しくなり、ビジネスモデルの抜本的な見直しを迫られている。各社が対応を模索する中、ServiceNow Japanは、コロナ禍を契機にパートナーとの連携を強化し、同社プラットフォーム上でのアプリ開発のスピードアップに成功している。

遠藤 哲 部長

 ServiceNow Japanは4月、ISVパートナー向けに、新型コロナ対応アプリの開発を支援するプログラムを開始した。現在、4社が参加し、ServiceNowが無償提供中の危機管理アプリと連携するチャットボットサービスや作業日報報告サービスのほか、テレワーク時の機器のトラブルに対応できるリモートデスクトップサポートやアドレス帳機能を開発している。

 これまでの例では、パートナーがアプリ開発に着手してからリリースするまでに、1社当たり約3カ月を必要としていた。一方、同プログラムでは、1カ月以内のリリースを目標にしている。開発中のサービスなどは、いずれも5月~6月にリリースするめどが立っており、新たに別の開発計画も進んでいるという。

 従来の約3倍の速さで開発が進むのはなぜか。ServiceNow Japanパートナー事業本部ISV推進部の遠藤哲部長は「設計段階から弊社とパートナーが協力し、一緒に汗をかきながら開発を進めているからだ」と説明する。

 具体的には「弊社とパートナーのエンジニアは、1日にオンラインミーティングを複数回を実施している。実際に会っていなくても、やり取りを重ねることで、信頼関係を構築し、円滑に開発が進むようになっている」とし、「クオリティの高いものを早く開発、リリースし、世の中の役に立ちたいという思いをしっかりと共有していることも大きい」と話す。

 パートナーとともに開発したサービスなどは、無償で提供する予定。遠藤部長は「各社が単体で開発した製品やサービスを無償で提供する例はあるが、弊社のように、パートナーと連携した取り組みは業界内でも珍しい」と語る。

 また「この状況の中で、コミュニケーションの取り方やナレッジの共有方法など、さまざまなことを学んでいる。新しいものを生み出すためには、弊社とパートナーが一対一の関係ではなく、弊社が一つのハブとなり、パートナー同士の結びつきをつくることが重要だ」とし、9月を予定している国内専用のストアサイトの立ち上げに合わせ、開発者コミュニティを立ち上げる方針を明らかにした。(齋藤秀平)