TISはスマートフォン用のミニアプリ管理基盤サービス「Widget配信プラットフォーム」を9月から始める。スマートフォンを使ったサービスが増える中、集客力や知名度のある“スーパーアプリ”が窓口となり、個別のサービスにつないでいく“ポータル化”が進むとTISでは見ている(図参照)。例えば、タクシー配車や事前オーダー、病院予約といった単機能の“ミニアプリ”は、それ単体での集客力が限られる。このためスーパーアプリの一コンテンツとして提供するケースが増えると見込む。


 スーパーアプリの役割を果たすアプリは、ヤフーやLINE、dマーケットなどが想定される。ミニアプリ事業者がスーパーアプリに接続するためには、スーパーアプリ側の接続仕様に対応しなければならない。今回、TISのWidget配信プラットフォームを介すことで、「接続のための追加開発、コストをかけることなく複数のスーパーアプリに機能を提供することが可能になる」(高島玲・ペイメントサービスユニットモビリティサービス部シニアプロデューサー)という。
 
高島 玲 シニアプロデューサー

 エンドユーザーの視点で見れば、スーパーアプリのIDを取得すれば、一つのIDでさまざまなミニアプリを使える利便性を享受できる。決済もスーパーアプリが代行するため、クレジットカードの番号の流出リスクを軽減するなどのメリットもある。

 TISでは、2025年までにスーパーアプリ事業者20社、ミニアプリ事業者200社の獲得を目指す。初期費用を除いた接続料は、ミニアプリ一つ当たり月額10万円からで、スーパーアプリ事業者が負担する。ミニアプリ事業者は無料でプラットフォームを使えるが、これだけでは売り上げが限られるため、今後はミニアプリ事業者向けのCRM(顧客管理)や広告配信といったサービスの追加を視野に入れる。

 今後も増え続けると見られるミニアプリ事業者の売り上げや利益を増やす有償サービスを拡充していくことで、Widget配信プラットフォームの売上増につなげる。こうした取り組みによって、25年にはWidget配信プラットフォーム関連で二桁億円規模の事業に育てていく。(安藤章司)