パナソニックは、映像の視認性に優れた55V型の透明有機ELディスプレイモジュール「TP-55ZT110」(調光ユニットあり)、「TP-55ZT100」(調光ユニットなし)を商品化し、日本、アジア大洋州市場を皮切りに12月上旬から順次グローバルで販売する。

透明有機ELディスプレイモジュール

 同社は16年以降、IFA(ドイツ)、CES(米国)、ミラノサローネ(イタリア)、中国国際輸入博覧会(中国)、CEATEC(日本)など世界各国の展示会で透明ディスプレイの試作品を展示し、市場性を模索しながら改良を重ねてきた。5Gなど通信インフラの進化やコンテンツの多様化が加速するなか、新たな映像表現が可能な透明ディスプレイへの期待の声が多く寄せられたことを受け、今回の商品化に至った。

 新製品は、バックライトを必要としない自発光型の透明有機ELパネルを採用。透明有機ELパネルは、画素ごとに配置された有機EL素子が自ら発光するためバックライトが不要。色鮮やかな高画質を実現するとともに広視野角で斜め方向からでも見やすいため、デジタルサイネージ(電子看板)やショーウィンドウなど広い空間での表示に適している。

 ディスプレイ部の厚みは、1cm未満(55ZT100は3.8mm、55ZT110は7.6mm)と超薄型で、まるで1枚のガラス板のように周囲の空間に溶け込む。ディスプレイモジュール内の各部材を、真空で高精度に貼り合わせることで反射ロスを抑え、透明性を高めている。

 TP-55ZT110は、光の透過率を電気的に制御する独自開発の調光ユニットをパネル背面に装着し、透明モードと遮光モードを切り替えることができる。遮光モードでは、調光ユニットの透過率を下げてパネル後方からの光透過を抑え、明るい環境下でも背景が見えない、黒の引き締まった高コントラストな映像を表示する。透明ディスプレイと通常のディスプレイの両方の良さを兼ね揃えた多機能なディスプレイとなっている。

 また、ディスプレイ部と電源ユニット部を分離させたモジュール仕様で、設置やシステム設計の汎用性が高く、住宅だけでなく商業、交通、公共施設含め、さまざまな場所に柔軟に設置することができる。複数枚接合による大画面表示も可能。

 同社では、今後も長年培った映像技術やノウハウを生かして、顧客の暮らしのさまざまな空間の価値向上と、新たな映像文化の創造にチャレンジしていく考え。