NECネッツエスアイは2月28日、ローカル5Gの事業拡大を見据えた戦略発表会を行い、ローカル5G普及に向けて「簡単なシステム構築」「Wi-Fi並みにコストを低減すること」「進化するネットワーク(Beyond5G)への対応」の重要性を説明した。地域のネットワークに向けた5Gサービスの提供や、建物およびビル内ネットワークの「インビル市場」に向けた戦略ソリューションを強化する。ローカル5G事業で2023年度には売上高100億円を目指す。
地域ネットワーク向けの対応では共通コアを地域ごとに設置し、複数の事業者でコアを共有できる環境を整える。NECマグナスコミュニケーションズの一体型基地局の機能も連携させながら、ローカル5Gを利用できる環境を構築する。
また、インビル市場に向けたコスト低減の取り組みでは韓国のHFRと提携。アンテナ分散技術(DAS)や、HFR製品の独自性能を生かし、Wi-Fi並みのコストでサービス提供できることを目標に掲げた。
中川貴之執行役員(左)と有川洋平グループマネージャー
ビジネスデザイン統括本部デジタルタウン推進本部第三ビジネス推進グループの有川洋平・グループマネージャーはHFRについて、韓国ではローカル5G製品も含めた実績を持つ老舗企業の位置づけになっていると話した。
将来に向けたBeyond5G対応については、「ローカル5G実証用ソフトウェア基地局」などのサービスを展開する東京大学発ベンチャーのFLARE SYSTEMSと連携。NECネッツエスアイの中川貴之・執行役員は「まずは基地局の技術的な連携、そして将来的にはソリューションやサービスの分野などでも共同開発を目指したい」と述べた。
(山越 晃)