デル・テクノロジーズは4月21日、従業員数50～300人程度の中堅・中小企業向けに、PCの調達から運用管理、廃棄までをトータルで支援するサービス「ゼロタッチPC for SMB」を開始した。中堅・中小企業におけるPC運用管理に関する負担を大きく軽減し、より付加価値の高い業務へ注力できるようにする。新サービスを軸に販売拡大を図り、3年後に中堅・中小企業へのPCの販売台数を2倍にする目標を掲げる。

　ユーザーは専用のウェブサイトから機種や構成を選定して購入し、導入・設定は「Microsoft Intune」や「Windows Autopilot」でほぼ自動化される。Autopilotに馴染みのない企業でも円滑に利用できるよう、管理者マニュアルとそれに基づくオンライントレーニングを用意する。サービスには「Microsoft 365」も付属する。

　運用管理については、「Windows OS」や「Microsoft Office」などに関するヘルプデスクをサービス事務局で担うほか、故障機交換や廃棄依頼、廃棄に伴うデータ消去なども事務局側で対応する。

　同社が国内2337社を対象に実施した「中堅中小企業IT投資動向調査2022」によると、情報システム部門は既存環境の運用業務に業務時間の65％を費やしている。このうちPC運用管理に割く比率が21％を占めており、事業変革などへの足かせになっているという。情報システム担当者の業務負荷も高止まりの傾向を示しており、同社は新サービスで課題の解消に繋げたい考えだ。

　販売面では、全国各地に存在する中小企業への直接的なアプローチを推進するため、パートナーに協力を求めていく。
 
　同社上席執行役員の瀧谷貴行・広域営業統括本部長は「業務負荷が非常に高くなっているPCのライフサイクル管理をモダナイズし、不足するIT人材の業務負荷を軽減できる決定的なサービスになると確信している」と述べた。
（藤岡 堯）