デル・テクノロジーズは、2月に開始を発表した「パートナープログラム2022」の展開に力を入れている。ユーザーの幅広いニーズに対し、パートナーが柔軟に対応できるようになったことが主な特徴。米国本社でパートナービジネスを統括するローラ・ターゲル・グローバル チャネル チーフは、重要な市場と位置づける国内で「よりよいテクノロジーを迅速にユーザーに届け、さらなる成長を目指す」と意気込んでいる。
(齋藤秀平)
ローラ・ターゲル グローバルチャネル チーフ
同社はこれまでもパートナープログラムを提供しており、刷新は5年ぶり。背景には、新型コロナウイルスの感染拡大を機に、これまでの約2年間で市場が大きく変わったことがある。
ターゲルチーフは「ITインフラのクラウドシフトが進んだり、カスタマーエクスペリエンスの観点で非常に高い結果を求めるようになったりと、ユーザーの要求は変化している」と説明。ユーザーの多様なニーズに応えるため、「体験の向上と成長の最大化、変革の実現の三つを柱にプログラムをアップデートした」と話した。
大きく変わったのはパートナーの区分だ。これまでは再販を担う「ソリューションプロバイダー」と、クラウド商材を扱う「クラウドサービスプロバイダー」、同社の技術を活用して独自ソリューションを提供する「OEMパートナー」の三区分を設けていたが、今回の刷新で一本化した。
パートナーは、ハードウェアやクラウド商材、OEM製品と提案内容を切り替えられ、顧客の要望に応じて最適なソリューションを素早く提供することが可能になった。区分ごとに異なっていた報奨金は変わり、結果に対して一貫して受けられるようになった。
国内では昨年、PCの売上高は政府が進める「GIGAスクール構想」需要の反動で前年に比べてマイナスとなったものの、サーバーとストレージは2桁増で着地した。全体として見ると「ほぼフラットで、GIGAスクール構想の分を除けばプラス」(入澤由典・日本法人常務執行役員パートナー事業本部長)になっている状況だ。
堅調に推移しているが、パートナーのビジネスは変わりつつある。例えば、再販パートナーの間では、ハードウェアに加え、クラウドサービスを届けようとする動きが加速。またハードウェアと、それに付随するソフトウェアなどの一括供給について、ユーザーからの要求が高まっている面もある。
ユーザーのクラウドシフトが確実に進む中、同社は、将来的にITインフラはハイブリッドクラウドベースが中心になると見込む。オンプレミスの製品やソリューションに引き続き力を入れつつ、提供を本格化しているas a Serviceモデル「APEX」の拡販にも注力する考えだ。
APEXに関しては、ハードウェアやサポート、ファイナンス、サプライチェーン、受発注など、複数の部門にわたる組織横断的なチームをグローバルやリージョン、国の各レベルで組織化。戦略やオペレーション、ツールの面でパートナーを支援し、エコシステム全体で採用を推進する。
このほか、ディストリビューターとの協業強化や、市場が成長しているミッドレンジのストレージを対象に、国内で独自に報奨金を上乗せするなど、幅広い取り組みを通じてパートナーのビジネスを支える方針。
ターゲルチーフは「日本は米国、中国に次ぐ世界で3番目に大きな市場で、われわれはグローバルの中で非常に重要視している。今後も人材やマーケティングなどに積極的に投資し、さらなる成長のチャンスを狙っていく」と力を込める。