ネットワールドは、制御機器・電子機器などの総合商社であるスズデン 東京物流センターのバックアップ/リストア基盤構築プロジェクトで、ネットワールドの提供する「Veeam Backup&Replication(Veeam)」が採用され、本格稼働を開始した。

システム構成図

 スズデンは今期で70周年を迎え、1000社を超えるパートナーから制御機器、情報通信機器、電子機器、電子デバイス、電設資材など幅広い商品を仕入れ、全国約5000社の製造業者に提供している。昨今、製造業界でもランサムウェアなどによるサイバー被害が拡大し、また、テレワークや在宅勤務などの働き方改革など環境が著しく変動する中、どのような状況下でも商品を安定供給できるように、バックアップ環境の整備に着手した。

 今回のバックアップシステム導入にあたっては、セキュリティ基盤、テレワークのためのVDI基盤、バックアップソリューションを導入済みの基幹システムのソリューション置換という形で三つの基盤が再編成された。複数のシステムを統合的にバックアップするため、管理の効率化はもちろん、バックアップ/リストア速度が重要視されたが、特にHCIと400台の仮想デスクトップ環境を保護する必要があるVDI基盤では、確実にバックアップウィンドウ内で収められるかが製品選定のポイントとなった。

 多くのソリューションを比較検討した中でVeeamが選定された理由は、バックアップ/リストアの速度が優れていることに加えて、Veeam単体でバックアップとレプリケーションが行えることと、監視ツール「Veeam ONE」があることだった。事業継続の観点からバックアップとレプリケーションを併用するケースも増えており、一つの製品導入で両方をまかなえるVeeamはコスト的にも高く評価された。また、Veeam ONEは、単一のコンソールからシームレスに各仮想基盤を可視化でき、VDI環境の400台の各仮想マシンやセキュリティ基盤で動く重要な仮想マシンに、エージェントをインストールする手間がなく、シンプルにリソースを監視できることが採用の大きな決め手となった。

 新しいバックアップ/リストアシステムでは、400台のVDI環境での約2.4TBのフルバックアップが約18時間、約650GBの日々の増分バックアップは2時間程度で完了する。リストアは、1VMにつき約7分で終了するまでに短縮している。Veeamのシンプルな操作性も高く評価されており、VDIに何らかの障害がありVeeamを立ち上げてリストアした場合でも実質10分程度で終了する。

 セキュリティ基盤では、VMwareのスナップショットだけではなく、VeeamのAPIによりNetAppとストレージスナップショット連携を図ることでバックアップを高速化している。VMwareによるスナップショット連携のみの場合、バックアップ処理に時間がかかったり、システムが瞬停(スタン)したこともあったが、ストレージスナップショット連携により仮想マシンのスナップショット作成から削除までをかなり短縮できるため、結果的に負荷を減らしてスタン発生を防ぎつつ、バックアップ時間も短縮可能となった。

 会計基盤など業務運営に欠かせない仮想マシンは、Veeam経由でAmazon S3に二次コピーしている。また、AWS上の「Veeam Backup for AWS」を活用し、Amazon VPC内にあるAmazon EC2インスタンス(DNSサーバー、ウェブサーバー)のバックアップをS3に保存している。Veeamは、EC2インスタンスをオンプレミスのVMware環境に直接リストアする、またはその逆も簡単に可能なため、コストメリットがある方にすぐ切り替えることができる。

 AWSのEC2インスタンス上に構築したVeeam ONEは、バックアップソフトウェアだけでなく、システム全体の運用にも役立っており、オンプレミス側の仮想基盤と仮想マシンを監視。仮想マシンのリソースやハードディスク容量、CPU負荷率などを一目で確認できるほか、定期的なレポートも発行され、インフラ上の気づきにくい変化にもすぐに対応できる。

 今後は、基幹システムのバックアップも随時Veeamに統合し、「Dell Power Protect DD(旧Data Domain)」との連携による高い重複排除を活用して、より効率的なバックアップを実施する予定。