米Avanade(アバナード)の日本法人は9月28日、本年度の戦略説明会を開き、9月1日付で代表取締役に就いた鈴木淳一氏が「日本のDXを牽引するリーディングカンパニーとしての地位を確立する」と抱負を述べた。注力する目標として▽パートナー、顧客との共創体制の強化▽多様な働き方の支援▽人材育成と採用の加速▽日本でより愛され、貢献できる企業になる──の4点を挙げ、さらなる成長を目指すとした。
鈴木淳一 代表取締役
冒頭、鈴木氏は日本法人の現状を紹介し、昨年度のビジネス成長率が約40%となり、最高益を記録したことなどを明かした。従業員数は過去5年で2倍に達し、現在は800人ほどの社員が在籍しており、「目覚ましい勢いで拡大している」と強調した。
市場動向については「企業は後戻りのできないDXの分岐点にきている」とする一方、人材不足を課題に挙げ、「この市場ニーズに当社の強みである技術力とコンサルティング力が生かせる」と訴えた。
今後の成長戦略に関しては、産業ごとのニーズに応える組織体制の拡充や、顧客のビジネス全体をカバーするクロスソリューションの提供などを掲げた。
人材面では、引き続き、全国で働ける環境を提供するほか、グローバルで活躍できるためのマインド醸成・育成支援にも取り組むとした。
さらに鈴木氏はグローバルで展開されている「アバナードアカデミープログラム」を日本でも開始する方針を示した。受講者は入社後、約2カ月の特別トレーニングを受け、知識とスキルを磨く。異業種・異職種からのIT人材獲得を図る狙いで、鈴木氏は「高い潜在能力を持つ多様な人材の採用を加速し、デジタル人材の育成を加速したい」と意気込んだ。
鈴木氏の前任で、会長に就任した安間裕氏もあいさつし「(鈴木氏と)二人三脚で進んでいきたい」と語った。安間氏は顧客との関係構築などの面で鈴木氏をサポートしていくという。
(藤岡 堯)