デジサート・ジャパンは4月5日、従来、提供してきたPKIサービスに電子証明書のライフサイクル管理機能を追加した新サービス「DigiCert Trust Lifecycle Manager（TLM）」の販売を開始した。電子証明書の自動配布や利用環境の可視化、プライベート認証局（CA）の早期立ち上げなどの機能を提供する。通信の暗号化が進み電子証明書の運用管理が複雑化していることから、その解決手段として訴求し顧客獲得を目指す。TLMの発売に伴い、営業体制を刷新したことも明らかにした。

　電子証明書のライフサイクル管理機能は、サーバーやクライアントPCをはじめ、さまざまな環境で利用されている電子証明書を可視化し、期限の管理や更新、新社員向けの新規発行、退職者の電子証明書の停止などの機能により運用の効率化を支援する。


　PKIサービスは、CAの早期立ち上げに加え、ユーザー、デバイス、サーバーのプロファイルを事前に設定することでカスタマイズした電子証明書の発行が可能となる。テンプレートを用意しており、設定はクリック操作のみで行えるという。UEM（Unified Endpoint Management）やMDM（Mobile Device Management）「Active Directory」といった他のID・アクセス管理製品との連携も可能だとしている。同社の二宮要・エリアバイスプレジデント、ジャパンセールスは「証明書ライフサイクル管理とPKIサービスを一元的に提供できるのは当社だけだ」と説明した。

　同社は、大手企業が顧客となるPKI事業と幅広い企業が顧客となるSSL/TLS事業のそれぞれで営業部を設けて活動してきたが、今年から統合した。二宮エリアバイスプレジデントは「TLMをSSL/TLS事業の幅広い顧客に案内することで、これまで以上の収益拡大を目指す。国内企業のニーズに合わせた新しいマーケティング施策も進めていく」と述べた。パートナープログラムの刷新も予定しており、TLMを軸にしたパートナー戦略にも取り組むとした。
（岩田晃久）