ニュータニックス・ジャパンは4月26日、記者会見を開き、ハイブリット・マルチクラウド環境の構築を支援する「Nutanixハイブリッド・マルチクラウドスターターキット」を発表した。異なるIT環境を統合した環境を構築できるプラットフォーム「Nutanix Cloud Platform」を提供するほか、同プラットフォームへの移行に向けたコンサルティングを行う。ハイブリット・マルチクラウド環境を利用する顧客は増加傾向にあるとし、パートナー向けの支援を拡充させることで、需要に応える構えだ。
Nutanix Cloud Platformには「Nutanix Cloud Infrastructure Pro」と「Nutanix Cloud Manager Starter」がバンドルされており、マルチサイトによるディザスタリカバリや仮想的なネットワークの構築、インフラのAIOps(Artificial Intelligence for IT Operations)ができるほか、さまざまなデータ管理機能を備える。
加えて同スターターキットでは、Nutanix Cloud Platformへの移行を支援するコンサルティングを提供する。既存環境からの移行計画の立案やワークショップを行い、本番への導入・移行作業を実施する。
同キットを提供する背景として、米Nutanix(ニュータニックス)が2022年12月から23年1月にかけて実施したクラウドの採用状況に関する調査レポート「Nutanix Enterprise Cloud Index 2022」の結果を紹介。この中で、国内では56%の企業がプライベートクラウドやパブリッククラウドなど、複数のIT環境が混在した状況を利用しており、91%の企業が「多様なワークロードとデータを管理する単一のプラットフォームが理想的」と回答していることを挙げた。
金古 毅 社長
ニュータニックス・ジャパンの金古毅社長は「調査を開始した5年前と比べ、ハイブリット・マルチクラウド環境を利用する企業は増加傾向にある」とした上で、「Nutanix Cloud Platformにより、IT環境の運用をシンプルにできる」とアピールした。
パートナー向けの支援施策としては、同社のハイパーバイザーなどのツールを活用した移行方法の教育や、同社が提供する認定資格の取得支援を提供する。金古社長は「パートナーとともに国内企業のハイブリット・マルチクラウド環境への移行を推進し、異なるクラウド環境間でのワークロードの構築やデータの管理ができるように支援する」と話した。
このほか、パートナー向けにハイブリッド・マルチクラウド環境における、データベース(DB)管理のノウハウや技術知識を提供する「Nutanixデータベースサービスエコシステムプロジェクト」を発表した。具体的な施策としては、ワークショップの実施や、導入・運用の際のコンサルティングサービス、エンジニア向けの資格の取得支援を用意する。
金古社長は「DB運用の自動化を実現することによって顧客が直面する課題を解決できるパートナーエコシステムを拡充させる」と話した。
(大畑直悠)