クラウドのコンテンツ管理プラットフォームを提供する米Box(ボックス)の日本法人であるBox Japanは5月18日、国内の事業戦略を発表した。AIモデルを「Box」に実装する一連の新機能「Box AI」については、社内のデータを一元管理し、AIの活用で業務の効率化や生産性の向上につながると説明。パートナーとの連携を深め、官公庁や金融機関などに拡販していく。
Box Japan 古市克典 社長
日本法人は創業以来、9年連続で成長していると説明。2023年1月末までの1年間の業績については、すべての機能を制限なく使える契約が全体の約6割を占め、売り上げをけん引した。国内の契約企業は約1万5000社で、年間契約の更新率が97%と継続率が高いことも好調を後押しした。グローバルの売上高のうち日本は19%を占めていることも報告。古市克典社長は「日本市場の重要性は非常に高く、今後も成長を見込んでいる」と話した。
新たに発表したBox AIの機能については、企業内で約8割に上るとされる非構造化データの活用が可能になることが強みと強調した。AIが文書を瞬時に解析して要約したり、社内データを活用して営業関係の書類を生成したりと、会社全体の生産性向上に大きく貢献するほか、Boxをプラットフォームとして全社的なデータ利活用が可能になる。翻訳機能にも対応しており、「言語の壁を越え、多様なアセットが業務を支えてくれる機能だ」(古市社長)とした。また、社外とのやり取りの際にデータを外部に送る必要がなく、Boxのプラットフォーム上でやり取りができる点から、セキュリティやコンプライアンスに配慮してAIを活用できることを特徴として挙げた。
23年の事業方針については、Box AIに加え、容量無制限で電子署名が使える機能やクラウド上のホワイトボードで社内議論を活性化できる機能など、同社のソリューションの利便性を訴求し、官公庁や金融機関、病院といった業種を中心に販売の拡大を目指す。古市社長は、「当社はほぼ100%間接販売が特徴。今後注力する業種においてはパートナーとの連携がより重要になってくる。パートナー企業との関係を深め、拡販していきたい」と語った。
米Box アーロン・レヴィ CEO
オンラインで参加した米Boxのアーロン・レヴィCEOは、Box AIによって、企業内にあるデータの価値を最大限引き出せるようになると指摘。「それぞれの企業が自分たちのデータをどう扱うのか、革命的に変わろうとしている。Box AIは自動化、生産性向上の面で需要が高い日本市場にも大きなインパクトがある」と述べた。
(堀 茜)