ラクスは12月14日、都内で自社イベント「Raku Raku Cloud Forum」を開き、バックオフィス向けSaaS群である「楽楽シリーズ」の新たなブランドメッセージ「よりよく、寄り添う」を発表した。顧客の環境、企業文化に適したかたちで、それぞれに寄り添いながらデジタル化、DXを提案したいとの思いを込めた。合わせて、シリーズ5製品のロゴの色やWebサイトのデザインを一新し、より統一的なブランディングを進める方針も示した。基調講演で、執行役員の吉岡耕児・楽楽クラウド事業本部本部長は、それぞれの製品が属する領域で導入社数ナンバーワンを目指すとし「バックオフィス支援において、最も頼りにされる存在になりたい」と意気込んだ。
吉岡耕児 執行役員
ラクスでは2023年に入り、それまでのクラウド事業本部を製品群別に分割。「楽楽クラウド事業本部」と「ラクスクラウド事業本部」に再編し、個別製品ごとに置いていたマーケティング部隊を各事業本部内で一本化するなど、シリーズとして訴求を拡充させている。メッセージ発表やデザインの刷新を機に、ブランディング面でもより一体的な訴求を図る。
吉岡執行役員はメッセージについて、ラクスが20年以上にわたってバックオフィス業務を支援し、多様な顧客の課題に向き合ってきた点を強調し、「私たちだからこそできること、お客様に向けた思いを言語化した」と説明。その上で「バックオフィスで働く人々の悩みに寄り添いながら、ともに解決し、よい状態にできる存在でありたい。よりよくなるようお客様に寄り添い続けていきたい」と訴えた。
基調講演では、ラクスが実施したバックオフィス業務従事者のDX意識調査の結果が紹介され、調査対象497人のうち、およそ半数が「DXが進んでいない」と感じていることが示された。要因については、「システムの導入・運用の予算を確保するのが難しい」「システムやITに対する知識がなく、推進できる人材が社内にいない」「システム導入のメリット、費用対効果などがわからない」といった回答が多くみられ、吉岡執行役員はIT人材の不足やコスト、導入意義の不明瞭さがDX推進の障壁になっているとの見方を示した。
これらの課題に対して、楽楽シリーズでは、特定の業務領域に特化することによるコスト面での優位性、これまでの顧客支援から得た知見に基づく導入・定着サポート体制、費用対効果を実感できるデータなどをアピールし、顧客開拓を図っていくとした。吉岡執行役員は「お客様が実現したいこと、本来やるべき仕事への集中を実現するために、支援を続けたい」と意欲を見せた。
イベントでは、象印マホービン、全日本空輸における導入事例の紹介、元ラグビー日本代表キャプテンの廣瀬俊朗氏による特別講演なども行われた。
(藤岡 堯)