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山善、製造業向け生産性向上SaaS「ゲンバト」を発売 効率化で中小製造業を支援

2024/02/21 16:04

 山善は2月21日、現場の生産性向上を支援する製造業向けの複合型SaaSプラットフォーム「ゲンバト」の提供を開始した。図面管理、設備管理など複数の機能を備え、それらから顧客が必要なものだけを利用できる中小製造業向けのサービス。金属加工業などを主なターゲットとし、2028年度までに契約7000件、単年売り上げ10億円を目指す。

 同社は、小型家電などの製造販売に加え、製造業向けに部品や材料を販売する商社事業を大きな柱としている。顧客の中小製造業が抱えている課題を解決するソリューションとして、ゲンバトを開発した。記者会見した岸田貢司社長は「日本の製造業の成長を後押しするサービスにしていきたい」と意気込んだ。
 
岸田貢司
社長

 コンセプトは、製造業の現場で誰もが簡単に使えるデジタルサービス。図面管理、不良記録、設備管理に加え、導入企業が自社ならではの技術力など強みをPRし、新たな受注につなげられるマッチング機能などを用意する。山善が開発したこれらのサービスに加え、パートナーが提供するサービスも合わせ、開始時点では10の機能を提供する。月1~2万円から利用が可能。手軽に導入が可能なサービスを体感してもらう目的で、24年末まで四つの基本機能を無料で提供する。

 新サービス提供の背景として、同社が製造業約1000社を対象とし、1月末に実施した意識調査の結果も紹介。8割超の企業が生産性向上に危機感を持っているものの、中小企業では7割以上が対策に取り組めていないと回答。デジタル人材とノウハウ、予算が不足し、デジタル化やDXができないとの回答が多かった。ゲンバト推進室長の藤川浩一・営業企画部副部長は「ゲンバトは簡単に必要な機能から始められる。製造現場にちょうどいいデジタルとして、中小製造業を支援をしていきたい」と説明。全国12万社ある金属加工業の企業を中心に拡販、導入支援もしていくとした。(堀 茜)
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外部リンク

山善=https://www.yamazen.co.jp/